『私がもう一度、産んであげる。今度は絶対死なないように。今度は絶対壊れないように。私の力を分けてあげる…ああ、でも、一度に与えてしまったら、耐え切れないかもしれないね。少しずつ、少しずつ力を手に入れられるようにしよう。そのためには、世界に種を撒こう。やがてその力は、人の体で受け入れられるようになるだろう。君はそれをひとつずつ、取り込んでいけばいい。力を全て手に入れた時、君は全てを思い出し、私たちは今度こそ、いつまでも一緒にいられるようになるんだ』
DEM社×ラタトスク(with精霊軍団)×AST(DEM裏切って精霊側に)×狂三群体という大乱戦のさなか、まるでチェスト・バスターのように時崎狂三の胸部を切り裂いて現れた少女。
彼女こそ全ての始まり。彼女こそ観測者。時空を超えたヤンデレヒロイン。
壮大な答え合わせが始まりました。
「デート・ア・ライブⅤ/第四話・始原の精霊|第五話・母なる零」(2024年5月1日8日深夜TOKYO MX放送/中川淳監督)
狂三の胸部から現出したのはかつて五河士道が崇宮真士として暮らしていた頃に出会い、そして暫し生活を共にした少女。
出会いは空間震の発生地点。その上空に全裸で。真士が自宅に連れ帰ったものの記憶なく言葉分からず名前分からずでしたが、書籍から僅か1日で言語体系を把握。真士が便宜的に付けた名前が澪。
出合ったのが5月30日だから3(み)0(お)。おっとそれって出合ったのが4月10日だから十香にしたのと一緒やないかい。別人格になってもネーミングセンスは変わらんな士道。
真士が取ってくれたクレーンゲームのクマのぬいぐるみを宝物にする澪。
真士から申し出たデートのお誘い。初デートのコーディネイトに呼ばれたのが真士の妹・真那のド親友・五河遥子(いつかはるこ)。
後に五河琴里の母になる人です(時間軸は現在から30年前)。集中力倍増アイテム≪チュッパチャップス≫装着は母譲りだったんですね。
そして初デート当日に起こった悲劇。澪を付け狙う謎の集団。その凶弾に倒れた真士。
その骸を前にした澪は絶叫・反転(闇落ち)。その力は巨大なうねりとなって…。
これが30年前の空間震の真実。
呆然自失の澪でしたが…
『そうか…作り直せばいいんだ』
澪が真士の亡骸にキスすると進士は光の粒となって澪の腹部に。
『もう、絶対離さない。もう絶対間違わない。だから、待っててね…シン』
この世界は澪が作った「やり直し」の世界? それってハルマゲドンの結果、不動明を失ったサタン(飛鳥了)が全てをなかったことにして作り出した「バイオレンス・ジャック」の世界みたいなものなのでしょうか。
30年の時の流れの中で歳を取った者もいれば全く変わらない者もいる。
その違いはどこに?
お話戻ってバトルロワイアル決戦現場。
澪の依り代となった時崎狂三は分身体ともども地上に落下。
『時崎狂三の生命反応、消失しました。完全に死亡したようです』
俺のメインヒロインが…死亡…だと!?
士道の前に現れた少女をモニター越しに凝視するラタトスクの面々。
司令官・琴里の視界にはモニターの中の少女の面影を宿した女性の姿。
村雨令音(むらさめれいね)。1期1話から士道の事を「シン」と呼ぶクマのぬいぐるみがトレードマークの解析官。
『令音、あなたは何者?』
『きっと君が想像しているものからそう離れてはいないと思うよ。あれは私であり、私はあれなのさ。ひとつの意思にふたつの身体…こちらの私にも仕事があるのでね、分けておいた方が都合が良かったんだ。皆にセフィラを与える時には特にね』
『セフィラを与える!? じゃあ、あなたがファントム?』
『そう…そして狂三の言う≪始原の精霊≫でもある』
ファントム=始原の精霊=崇宮澪=村雨令音。
ふたつの肉体が今ひとつに。
これは生半可な歴史修正では追いつかないぞ。しかし、過去に遡行する唯一の手段≪刻々帝(ザフキエル)≫の一二の弾「ユッド・ベート」を持つ時崎狂三は既に…。
澪の前には十香・耶倶矢・夕弦が立ちふさがりますが、耶倶矢が凶刃の前に命を落とし…。
そして士道の前には30年前真士を撃った男、DEM社アイザックが。
次回はエリオット、アイザックらの過去語りのようです。ここまで撒き散らかされたパズルのピースがひとつずつ嵌って、最期にはどんなタペストリーになるのでしょう。
★本日5月10日は作家で役者で映画監督の森達也(1956~)の誕生日(おめでとうございます!)
役者として出演した作品と、自著が小道具として映されている作品をひとつずつ。
★本日のTV放送【13:40~テレビ東京/午後のロードショー】