『『この不燃ゴミが!』』
その罵倒は賞賛。その罵倒は労い。感情の全てを託して罵詈雑言。
「ロックは淑女の嗜みでして/第10話」(2025年6月5日TBS放送/中野英明演出)
序盤の迷走を一気に覆して演奏を終えたリリーら。
全エネルギー放出。細胞という細胞がが酸素を求めて喘いでいる。
しかし、会場を包んでいたのは静寂と戸惑い。拍手無し。対バン勝負は惨敗。
負ければシロはベースを捨ててビター・ガナッシュへ。
うなだれて控室に戻るメンバーと浮かれまくるビター・ガナッシュ(のボーカル、アキ)。
(いつ以来だ? こんなに汗だくになって楽器を弾いたのは…)
その楽器、ベースとも今日でお別れ。感傷に浸るシロと敗北の責任を感じているティナ。その背後でリリーとオトは…
『『ダセェんだよ! このクソドラム(ギター)!』』
『あのチラタラしたスタートの入り!なんだよカッコわりぃなぁ! ビビってんのがモロバレなんだよ!』
『うるせー!立て直しただろうが!てめえだって周りのヘルプ意識しすぎて勢いなくなってんだよ! カッコつけたプレイしてんじゃねぇぞ! 途中盛り上がって、もう少しでイケそうだったのに邪魔しやがって!』
『あの程度でイケるなんてやっすいオ〇ニーだな! あんなもんじゃねぇだろてめぇは! もっと燃えろや!』
『てめぇだってもっと弾けろや!』
『『この不燃ゴミが!』』
とめどなくあふれかえりむせかえる罵詈雑言。一番のショックを受けたのは、シロ。
そうか、これが音羽の…ロックにパートナーに求めていたもの。
…私には、できない。
そうか…オトのパートナーは私ではないのだな。
『おい!てめぇ!なに他人事みたいな顔してる?』
うちひしがれるシロにも罵倒の矛先が
『まさかてめぇ…』『何も言われねぇと思ってんのか!?』
『『つまんねぇんだよ!てめぇのベースは!』』
『テクニックあるからって自惚れてんじゃねえ!リズム硬ぇし感情が足りねえ!』
『他人のプレイばっか気にしやがって、てめぇのイチモツさらけ出せよ!』
原作では「チ〇ポ」でしたが「イチモツ」に変更になりました。
『どーした、何とか言ってみろよ、てめぇのベースはそんなもんか!? あ、あーそうか、どうせてめぇベースは今回きりでギターに戻るんだもんなぁ』
『てめぇはベースよりギターの方が好きだもんなぁ!』
『チヤホヤされるもんなぁ、超絶技巧のシロさんよぉ!』
『『そんなベース、とっとと捨てちまえ! あばよ!』』
『…ふざけるな…私のベースはこんなものじゃない』
言わせました。リリーとオト、究極のアドリヴ夫婦どつき漫才。阿吽を超えた阿吽。
ここで一歩引ける(欲しかったのはギターのシロであってベースのシロじゃない)ビター・ガナッシュもいい奴らです。
リリーとティナが飲み物を買いに出た際に、シロがオトに告白。
『それでオト…お前のバンドにベースの空きはあるか?』
更に
『私にはオトにそんな(罵り合うなんて)事はできない。だって私は…全力でお前に罵られたい!』
好きが高じてドM開眼。変態だったんですね、シロさん。
『気持ち悪…』
『…オト!❤』
イッちゃいましたね、シロさん。私は何を見せられているのでしょう(尊い…とはちょっと違うな)。
罵倒に疲れてそれ以上の言葉を交わすことなく、各々帰宅。再びお嬢様の生活に戻るために。
しかし…
『私、見てしまいましたの。昨夜、お姉さまが、知能が低くて趣味の悪い服装でこそこそと帰ってくるところを』
何と帰宅の瞬間を義妹・愛莉珠(ありす)に目撃されておりました。にしても自分の身長以上の塀を飛び越えてくるとはさすがの筋力と瞬発力だなりりさ。
演奏会の時は自分にも情報をくれ(観覧させろ)と言ったのに抜け駆けしたりりさに愛莉珠ちょいおこ。
しかし、今回は公民館の吹奏楽ではなくライブハウスのロック。お嬢様を連れていけるところではありません。
すっとぼけりりさでしたが、愛莉珠は何か決意したようで。
対バンの興奮が余韻となって眠れず、授業にも身が入らないりりさでしたが、放課後は部活(茶道部)が。
しかも今日は黒百合女学園茶道部との合同稽古。部員を率いてやって来た黒百合女学園茶道部部長は…シロでした。
『余計なこと喋ったら殺すぞ!』
お嬢様同士の挨拶には緊張が走りますね。
稽古終わって一息ついて。昨夜のオトに対する「罵られたい」変態告白に後悔しきりなシロは「誤解を解くため(?)」にオトの元へ。
ライブを反芻して改めて「あのメンバーでロックしたい」と感じたりりさもギターを求めて音楽室へ。そこには既にオト、シロ、ティナも。揃った。
練習の時とは違う「戦友」となった4人の交わり。
その様子を窓から覗き見る人影ひとつ。
『お姉さまが素直に話さないなら、自分で探ろうと思ったのだけれど…増えてる!』
大混乱の愛莉珠でした。
おまけとして、両手に木を持って隠れているつもりになっている人を。
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