ソフト化不能と言われていた封印作品まさかの解禁。
「犬神の悪霊(たたり)」(1977年/伊藤俊也監督)
オカルトブームと横溝ブームにあやかった便乗作ですが、どうにもこうにも一筋縄ではいきません。
理屈とか辻褄とかはハナから放棄。ここに「モンタージュって何?」な編集が迷作の誉れを上塗り。
お話は簡単・・・ではありません。ってか説明できません。
ウラン採掘の調査団3名が久賀村で祠壊すわ犬跳ね飛ばすわの分かりやすい罰当たり行為をした為に、一人は発狂&自殺、一人はありえない数の野犬に襲われてボロ雑巾。
残った一人の妻(久賀村出身←泉じゅん!)は犬神憑きに。
現代医学では治療不能なので久賀村に帰るが祈祷失敗して死亡。
この事を機に犬神憑きの家系として忌み嫌われていた垂水家が村人の憎悪の集中砲火を浴び、ウラン採掘場から漏れた水銀被害の濡れ衣着せられて一家まるごとリンチ惨殺。
かろうじて生き残った主人(室田日出男)は犬神憑きの儀式を行い村人に呪いをかける。
文字にすると筋が通っているように見えなくもないですが、全然通ってません。通ってないのですが、それを補って余りある製作者の熱いサムシングがあるので、うっかり失敗作とも言い切れません。
ラストシーンとか「なんでやねん!」なのですが、監督の「こうしたかったんだよ!」という叫びが聞こえてきそうで・・・。
いやはや、困った作品です。
※何が困ったって、クライマックスで犬神憑きになって暴れまわる垂水麿子役の長谷川真砂美(撮影当時10~11歳くらい)の生足が一瞬すね毛ボーボーになるというトラウマ級のイリュージョンがある事。CG補正してください。お願いします。