デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

フューリー

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You Go To Hell!』


人体破壊の夜明けはこの呪詛から始まりました。

「フューリー」(1978年/ブライアン・デパルマ監督)

超能力者の息子を「実験材料」として友に奪われた父。

他人を傷つけてしまう能力を持て余している少女。

父は息子の奪回のため、少女は自分を救ってくれるかもしれない仲間を求めて。

しかし、息子は自我の肥大したモンスターと化しておりました。

大味と言えば大味ですが、前作「キャリー」よりも、そして3年後に登場する人体破壊の真打ち「スキャナーズ」よりも好きな映画です。

理由はひとえにデパルマの映像美学。

スロー、別時間軸の合成、スプリット、デパルマ節全開です。

いつもはただ景気がいいだけのジョン・ウィリアムスがクラシックのような美しい旋律でこれをアシスト。

カーク・ダグラスの「変装」がまるで変装になっていない、という点を除けばパーフェクトな出来だと思います。

※写真は「大爆発5秒前」のジョン・カサヴェテス