本多猪四郎監督の「美女と液体人間」があまりにつまらなかったので、二の足を踏んでおりましたが、これは結構拾い物でした。
「電送人間」(1960年/福田純監督)
変身人間シリーズの2作目(「透明人間」から数えると3作目)。
監督が「エスパイ」の福田純ってのがまた二の足を踏ませる要因だったのですが、脚本が関沢新一のせいか破綻無くまとまっています。
お話は、怪奇大作戦の「死を呼ぶ電波」とほぼ同じ(勿論、こっちの方が先ですが、って今調べたら、「死を呼ぶ電波」の脚本、福田純だ!)。
終戦のどさくさの物資横領に加担させられた挙句に殺された(生き埋めにされた)男の復讐話です。
白川由美を抱きかかえて歩く男のシルエットとか、振り向いた男の目だけに当るピンスポットとか、いかにも「怪奇映画」って感じの陰影の作り方がナイスです。
火山の噴火と共に「はい終了!」って感じで唐突に終わるのも衝撃度大(笑)。
「ゴジラ」シリーズの時は、本流本多、傍流福田でしたが、「変身人間」シリーズで借りを返した格好です。
※関連:「エスパイ」→2008年6月1日