怪奇大作戦に「死を呼ぶ電波」というエピソードがありました。
テレビを見ている人間をテレビの中から撃ち殺す、という話でしたが、逆にテレビを見ている人間が生放送中の出演者を撃ち殺せるとしたらどうでしょう。
「神風」
(1986年/ディディエ・グルッセ監督)
製作はリュック・ベッソン。タイトルと白塗り+日の丸鉢巻のおっさんのビジュアルから「ベルリン忠臣蔵」の親戚みたいなものかと思っていたのですがまるで違っていました。
訳の分からない研究ばかりしている変わり者の技術者がリストラで解雇。
元々頑固&偏屈だったおっさんは更に性格が捻じ曲がり、社会に毒づき、テレビに毒づき、遂にブラウン管を撃つ事でテレビの出演者を射殺することができる特殊な武器を発明し…。
標的にされたアナウンサーは突然どてっ腹に風穴開けて即死。犯人はおろか銃弾すら見つからない怪異現象にテレビ局大パニック。
アナの仕事は命懸け。ほとんど「デスノート」のノリですね。
やがて、犯人がブラウン管の向こうから電波を遡行して攻撃をしている事を見破った警察当局は、犯人より一瞬早く放送側から逆狙撃する“真言呪い返し”のような奇策で対抗しようとしますが…。
理屈も行動も滅茶苦茶の割に作りは真面目。きちんとサスペンスが機能しており、トンデモ認定をギリギリ回避する事に成功しています。
ただ、何にインスパイアされてKAMIKAZEになったのかはさっぱり。天誅と似たような意味合いで使っているのでしょうか。
おまけ
ブラウン管の美女に惹きつけられる男たち。
★ご参考