何を作っても非難確約なのに、よく引き受けたなあ。それだけでもこの監督の仕事は賞賛に値します。
「2010年」(1984年/ピーター・ハイアムズ監督)
前半、つまり宇宙に行くまでの描写は殺人的に退屈。
世界平和というテーマの伏線と言えば伏線ですが、テンポが悪い上にテーマそのものに大した意味がないので、自分が今何を観ているのか忘れてしまう程です。
で、ようやっとディスカバリー号が登場するに至って、ああ、そうだそうだ、俺は2001年の続きを観ていたんだ、と。
木星の太陽化とか、世界はひとつというメッセージとかは正直どうでもいいです。
これは「狂った粗悪品」というレッテルを貼られたHAL9000と、ボーマン船長の和解の物語。
『デイヴ、またあなたと働けて嬉しい。私は適切に任務を遂行していますか?』
『勿論だとも、HALl』
泣かせる台詞じゃないですか。