初めてこの映画のテレビCMを観た時は絶対「ドリフ大爆笑」の番宣だと思いました。
「椿三十郎」(2007年/森田芳光監督)
もうまるっきりコント。いつ織田裕二の頭に金ダライが落ちて来るかと。
黒澤久雄、そんなに金に困っているのか。でも森田はないだろ森田は! 「失楽園」だぞ、「海猫」だぞ、「愛と平成の色男」だぞ。
という間欠泉の如く吹き上がる怒りを胸に、やっと観ました本編を。
オープニングは「凄くいい感じ」。特に大島ミチルの音楽が絶品。一瞬、あれ?オリジナルもこんな音楽だったっけ?と思わせる嵌り方。
松山ケンイチを中心とした9人の若侍もOKです。なのに! 織田くんが登場した瞬間、ダン池田とニューブリッドの演奏で舞台が回転して歌のコーナーに(意味不明だな)。
トヨエツが盛り返すかと思いきや、甲高い声でタメもなく出て来た途端、さらに舞台が一回転。
アニキのような三十郎にしたいなら、三船の物マネ的台詞回しさせちゃ駄目よ。
とは言うものの、全体の印象は意外にもマズマズでした(オリジナルの脚本をまんま使っているのだから話が面白いのは当然ですが)。
赤い椿の艶やかさを切り取った段階で映像的には「勝っている」のかもしれません(だったらオリジナルをデジタル着色すればって話は置いといて)。
意見の分かれる決闘シーンですが、私はアリかと思います。ただ、せめて倒れた後、地面に血溜まりくらい作ってくれ。あれじゃ峰打ちにしか見えません。