「の・ようなもの のようなもの」(2015年/杉山泰一監督)
2011年に急逝した森田芳光監督が1981年に手がけたデビュー作「の・ようなもの」の後日談。
偶然とは恐ろしいもので、行きの便で観た「スターウォーズ/フォースの覚醒」とほぼ同じ話でした。
どちらも30数年ぶりの続編。時間経過はリアルタイム。登場人物も30数年歳喰って続投。
行方不明になった前作の主人公(ルーク・スカイウォーカー/志ん魚)を新しい主人公(レイ/志ん田)が探す話。
それは自分のアイデンティティを見つめ直していく内なる旅でもあったという…。

出船亭志ん田(松山ケンイチ)は出船亭志ん米(尾藤イサオ)に師事する前座の落語家。
彼に下った師匠の密命。「かつてこの部屋にいた出船亭志ん魚(伊藤克信)を見つけ出して高座にあげろ」。
理由はくーだらない事なのですが、命令は命令。志ん田は僅かな手がかりを頼りに志ん魚探索の旅へ。
オリジナルが持っていた独特の間合いとテンポは望めませんが、そこはタイトルが宣言している通り、限りなくオリジナルを模した贋作って事で良いと思います。
相変わらず落語(演技)が下手な志ん魚(克信)。下手の中に個性を見る志ん田。
高座で敢えて古典「黄金餅」を演じる志ん魚と、亡き師匠の墓前で志ん魚が作った創作落語「出目金」を語る志ん田が交錯するクライマックスは何かしんみり、いい感じ。
オリジナルを観返したくなりました。
にしても尾藤イサオは変わらないなあ…。
★ご参考