これだけ駄目だ駄目だと言われると、「どんなに酷いんだろう」と逆にワクワクしてしまいます。
「20世紀少年 ―第一章― 終わりの始まり」
(2008年/堤幸彦監督)
確かに演出はユルユル(ってか演出してないだろ)、CGはチープ(特に羽田空港爆破シーン)、展開は無理ありすぎと駄目な石を積み上げていくと賽の河原がいくつあっても足りない映画ではあります。
ただ、「デストピア」の大風呂敷を無駄に広げまくっている(絶対畳めない)所は好感度大。
トヨエツが出てくる辺りから、加速度的に“無茶×無茶=滅茶苦茶”になっていくのですが、“国会議事堂が木っ端微塵”のような絵柄一発で「帳消し」です。
20世紀の終わり。謎のカルト教団を率いる正体不明の教祖“ともだち”。
やがて起こる世界規模の細菌&爆破テロ。それは、しがないコンビニ店主ケンヂ(唐沢寿明)が子供の頃に仲間と作った「よげんの書」の内容そのものだった・・。
竹中直人放し飼いとか、素人感出すにも程があるコンビニ襲撃とか、演出放棄なシーン目白押し。
加えて、敵味方共に「何で君らそんな事できんの?」な疑問百花繚乱ですが、金の掛け所を間違えているとしか思えない豪華キャストのおかげで、なんとなく“魅せて”しまいます。
恥ずかしながら原作未読なので、 “同じ顔の人+小間割り通りのコンテ”という醍醐味は味わえませんでしたが、トンデモ超大作として期待値ゼロで臨めばなかなかに楽しめる映画です。
※余談ですが、テレビ放映時、合間合間に入る幸福実現党のCMが実に“いい感じ”でした。