ジャケット(正確にはアウターケース)のデザインに惚れてふらふらと購入してしまいました。
「フランケンシュタインの逆襲」
(1957年/テレンス・フィッシャー監督)
公開当時の国内版ポスターを再現したものだと思いますが、素晴らしいデザインです(四隅がわざと擦り切れた感じになっているのも高ポイント)。
“逆襲”とつくと、なんとなく「2作目」「続編」な印象を受けますが、ハマー・フィルムのシリーズ第1作。世界初のカラー版フランケンシュタイン映画です。
物語は断頭台行きを1時間後に控えたフランケン男爵(ピーター・カッシング)の述懐という形で進行。
怪物(クリストファー・リー)が誕生するまでがやや冗長。ボコボコと泡が立っているだけで、何がどう凄いのかさっぱり分からない謎の設備など微笑ましいシーンも多々。
それでも、「ロッキー・ホラー・ショー」のロッキーや「死霊のえじき」のバブの元ネタだと思うと感慨深いです。
クリストファー・リーのメイクは、伝統的な怪物デザインよりは「ゾンビ」に近く、後のドラキュラ伯爵とは雲泥なグロさが堪りません。
造った人の狂気とか、造られた人間の悲哀を潔く棚上げして(笑)、即物的なホラーに仕立てたのは、ある意味立派です。