デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

救う価値など無い…のか。 ダイアリー・オブ・ザ・デッド

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DVD発売当日に店頭で気が変わり、「ゾンビ・ストリッパーズ」を購入してしまったため、鑑賞が遅れに遅れてしまいました。ロメロ先生、御免なさい。

 

ダイアリー・オブ・ザ・デッド
(2007年/ジョージ・A・ロメロ監督)


時間軸が同じだとすれば、「ナイト・オブ」と「ゾンビ」ののりしろ部分にあたるのでしょうか。あの事件の発端を別の視点(それもPOV)で描く異色作。

やや時代に迎合し過ぎかなという気もいたしますが、変にアクション映画になってしまった「ランド・オブ」よりはロメロ先生らしさが出ていると思います。

POVと言っても、芸術学校の生徒が2台のビデオを使い、監視カメラの映像なども取り込んで編集し、恐怖を感じてもらうために音楽までつけた「作品」を劇中公開しているという設定なので、素人臭いカメラワークで画面酔いという事態は回避されています。

テレビは嘘ばっかり。しかし、個人で発信する奴らも結局嘘。メディア・リテラシーとか言う以前に「カメラ持ってレンズ越しに物見てる奴らは全部ダメ」というメディアの袋小路を指摘しているあたり、流石御大という感じです。

結局、人類に救う価値などあるのか? いや、無い、という索漠感溢るる諦観が実に現代的ではあります。

「ゾンビ」や「えじき」にあった、ややアッパーな楽観が見事に消し飛んで「ナイト・オブ」に近い幕切れに。

さて、次の「オブ・ザ・デッド」はどうするつもりなんでしょう(もうここまできたら出来なんか関係ありません。どこまでも付き合います)。