“♪誰の為でもない、国の為でもない、自分の為に生きるのさ”
札束貪り喰う内田裕也のストップ・モーションに被る熱すぎるシャウト「誰の為でもなぁい!」
「十階のモスキート」(1983年/崔洋一監督)
交番詰のさえない万年係長・内田裕也。出世不能、女房離婚、サラ金行ったら返済不能の人生ズンドコ警官がテンパリまくって郵便局強盗・・。
郵便局で制服警官がニュー南部ぶっ放す、という絵柄の魅力だけで突っ走った映画なので、展開の面白さといったものはありません。
崔洋一監督のデビュー作ですが、正直監督は誰でもよくて、宇宙の中心に内田裕也がいる、それだけで成立している映画です。
にもかかわらず! 最後にちゃぶ台ひっくり返したのは白竜の「誰の為でもない」でした。当時はまだ白竜未体験。
「白竜って誰だ? どんな顔してんだ?」
その疑問は6年後(長すぎ?)、「その男、凶暴につき」で氷解します。殺し屋・清弘。こ、怖ぇ。
※参考:「コミック雑誌なんかいらない」→2009年2月25日