一時期、間違いなく私の中で“邦画No.1”の座に君臨しておりました。
「用心棒」
(1961年/黒澤明監督)
久しぶりに海外版ビデオなんぞ引こずり出して観てみましたが、いやあ、面白い。
今更語る事も無いのですが、取り合えず崔洋一監督には「今からでも遅くない。やめとけ」と心からのアドバイスを。
無許可で「荒野の用心棒」になったのは先刻ご承知だと思うので、あまり語られる事の無いオマージュ作をひとつふたつ。
用心棒のラストで卯之助(仲代達也。何故か英語字幕ではUが取れてNOSUKE)が、「俺はあれ(ピストル)を持ってねえと裸みたいだ。とても冥土までは旅できねえ」と落としたピストルを取ってもらい、一瞬、三十郎に向けて息絶える名シーン。これを完コピしたのが、
「仮面ライダーBLACK/最終回:ゴルゴム最期の日」(1988年10月9日放送/蓑輪雅夫監督)
BLACKに倒された宿敵シャドームーンが「サターン・サーベルを。あれがなくちゃ心細くて地獄へも行けん」。
で、受け取ったサーベルを一瞬、BLACKに向けて事切れる・・・お子さんに理解できるとは思えませんが、やりたかったんでしょうねえ。
この前に、卯之助のピストルを三十朗が出刃包丁を投げて防ぐ(卯之助が出刃の刺さった手首を押さえて「はうあ!」)シーンがありますが、ここを完コピしたのが、
「ウォリアーズ」
(1979年/ウォルター・ヒル監督)
拳銃を持つルーサー(デヴッド・パトリック・ケリー)にスワン(マイケル・ベック)がナイフをひゅん! ルーサーがナイフの刺さった手首を押さえて「うぎゃあ~!」。
ヒル監督は96年に用心棒現代版リメイクの「ラストマン・スタンディング」撮って(製作・脚本も)ますからね、“お好き”なんでしょう、きっと。
因みに三十朗最後のキメ台詞「あばよ」の英語字幕は「Luck」。
くどいようですが、崔“カムイ外伝”洋一さん、止めましょうよ、リメイク。
※お祈りの甲斐あって崔版「用心棒」の企画は流れたようです。
★ご参考