デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

マーゴット・キダー、破滅の片鱗。 悪魔のシスター

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ホラーで双子・・もうそれだけで何かぞわぞわっとするものがありませんか?

「シャイニング」の廊下の突き当たりで微笑んでいる双子。

八つ墓村」の小竹婆さんと小梅婆さん(しかも岸田今日子!)。

同じ顔が二つというだけでも十分怖いのに、これが癒着していたら・・。

 悪魔のシスター

(1973年/ブライアン・デ・パルマ監督)


ヒッチコックのオマージュだの、デ・パルマの映像美学だのって話は勇気をもって割愛。

マーゴット・キダー!!この映画を説明する単語はこの一言で十分です。

幼少期から抑鬱で自殺未遂を繰り返し、3度の結婚に失敗し、晩年は重度の不安神経症(誇大妄想狂)となって失踪。髪を切り、差し歯を抜き、全裸で震えている所を警官に保護された破滅型女優マーゴット。

本作はそんな彼女の“不安定さ”をグロテスクなまでに肥大させて映像に焼き付けた傑作です。

一卵性シャム双生児ダニエルとドミニク。心優しいダニエルと神経不安なドミニク。医師は彼女らを分離する手術を決行しますが・・・。

話がいい加減とか、展開に説得力がないとか、所詮はヒッチコックの猿真似とか非難の多い作品ですが、んな事ぁどーだっていいじゃないですか(笑)。

一発キメてトリップしたと思えば辻褄なんか気にならないでしょう。

あのラストカットの訳分からなさ(意味の無さ)とか衝撃的じゃないですか(絶対忘れられない名カットです)。

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何より、マーゴット・キダーが出ているのはこっちだけ。それだけで「サイコ」「裏窓」より上ってもんです(無茶苦茶な理屈)。

マーゴット・キダー最新作はロブ・ゾンビ版「ハロウィンⅡ」。役どころは精神科医! ゾンビさん、流石です。

※次回兄弟編。