デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

まだ横浜が横浜だった頃。 俺たちの勲章

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1975年。横浜。まだみなとみらいなんて影も形も無く、赤レンガは雑草生え放題の倉庫街。

野毛には馬券握り締めた喰い詰め者が集い、伊勢佐木モールを一本跨いだ日の出町、黄金町には戦後の匂いにも似たいかがわしさが立ち込めておりました。

『そう、俺はこの街には似合わない。昔、この街はもっと広くて、もっと狭かったよ』(「ヨコハマBJブルース」)

お洒落とヤバさがぎりぎり拮抗していた横浜を舞台にした“はみ出し刑事コンビもの”の元祖がチャンネルNECOにお目見え。

「俺たちの勲章/第1話・射殺」
(1975年4月2日初放送/澤田幸弘監督)


相模警察本部・捜査一係勤務の中野(松田優作)と五十嵐(中村雅俊)。性格もビジュアルも真逆な二人がぶつかり合いながら難事件に挑みます。

脚本は鎌田敏夫、音楽は吉田拓郎、演奏はトランザム、BGMはダウンタウン・ヴギウギバンドにかまやつひろし・・青春です。

冒頭、犯人追跡中の優作が通り過ぎる映画館では「エアポート75」を上映中。

優作の得物はM29。中村雅俊はガバメント45オート(力任せにマガジン引き抜いたり、初弾バレル装弾せずに発砲したりとかする事がありますが、当時の拳銃の扱いなんてそんなもんです)。

後に内館牧子と同じ箱に入るとは想像もできない坂口良子が滅茶キュート。

にしても、優作と恋人(鹿間マリ)のスタイルの良さはなんじゃらほい。今の栄養失調チビアイドルとは完全に種が違う。

人も街も一見の価値有りな名作です。