デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

長いよ(笑)! スウォーム[完全版]

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Amazonで中古VHSが2万2千円!高いよ!

仕方がないので輸入版取り寄せたら1,600円!

ランニング見たら155分! 劇場公開版116分だって相当冗長だったのに、30分追加の完全版かい! 長いよ!

「スウォーム」(1978年/アーウィン・アレン監督)

突如襲来したアフリカン・キラー・ビーの大群を学者と軍人がどつき合いながら殲滅する緊迫感ゼロの“何を考えているんだアーウィン・アレン”3部作の1本。

劇場版の記憶など彼岸の彼方なので、どこが追加シーンなのか皆目分からず。

しかも、英語字幕を頼りに観ているってのに学者さんが妙な専門用語並べるもんだから、リモコンと辞書手放せず。いつまで経っても終わらないスウォーム地獄。

とにかく蜂が舞い踊る中、人間が勝手に「うおー」「どわー」って死んで行くだけなので、「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」と(制作費以外は)大差ありません。

蜂の大群の中に突っ込んだ列車の運転手が「うぎゃー」とレバー押し倒して全速前進、脱線転覆(中国の手前、自粛だな)。

原子力発電所で「蜂が来るから原発止めろ!」「嫌だ!安全だ!」って小学生レベルの小競り合いしている間に制御室が襲われて、作業員が「ふんがー!」と変なボタン押して原発大爆発(自粛だな)。

焼き殺してやる!と火炎放射器撒き散らしてヒューストン火の海。

お前ら馬鹿か。

心に残るシーンもあります。蜂の大群に突っ込んだヘリが操舵不能になって山腹に激突・爆発するまで1カットに収めた所や、

脱線・転覆した列車が(人間撒き散らしつつ)崖転がり落ち爆発・炎上するシーンなど、さすが「タワーリング・インフェルノ」アクション監督(しかし、カサンドラ・クロスより2年遅いのであった)。

何より素晴らしいのは、最初に襲来した街の最初の犠牲者が小学校の子供たちという所。

蜂に人間の倫理観なんか分かる訳ゃねえですからね。弱い者から死んでいくのは自然の摂理。ペロペロキャンデー片手のお子様がわんさか蜂にたかられているというアグネス卒倒な名シーンがございます。

出演陣は笑っちゃうくらいのオールスター。リチャード・ウィドマークは前年の「合衆国最後の日」から連チャンで厭味な軍人(@ICBM発射基地)を熱演(同一キャラなんじゃねえか)。

紅一点(すみませんが、オリビア・デ・ハビラントはカウントしません)キャサリン・ロスは、白衣→軍服(萌えです…)→私服とコスプレ祭り。

主演はマイケル・ケインですが、後に「ありゃ最低の仕事だった」と述懐するくらい思い出深い作品のようです。

やっぱ、国内版出して、ワーナーさん。

 

★ご参考