武装バス、装甲トラックマニアとして、このタイトルを外すわけにはいきません(笑)。
「バトルトラック」
(1982年/ハーレイ・コークリス監督)
原題も“BATTLETRUCK”。何て偏差値貧乏で素敵なタイトルなんでしょう。
罵堵坩屠羅駆と当て字をしたくなります。
近未来。資源枯渇。都市部戒厳令。田舎無法地帯。ガソリン求める略奪者。
巨大な装甲武装車バトルトラックを駆って略奪と殺人を繰り返すストレイカー大佐(ジェームズ・ウェインライト)VS一匹狼のバイカー、ハンター(マイケル・ベック)。
脚本は大した事ありません。こじんまりとしたスケールのニュージーランド産“なんちゃってマッドマックス”です。
ストレイカーとハンターが女を取り合うという図式が、このこじんまり感に拍車をかけ、更にその女に全く魅力が無いという痛恨の一撃が、尻の据わりを悪くしています。
そこいらへんをスルーして、画作りに視線を移すとこれがなかなか。
まずは実質主役のバトルトラック。
装甲車としての威圧感を十分体現する大きさと重量感が実に無頼。「世界が燃えつきる日」のランドマスターを優等生とするなら、こちらは正に不良番長(トラックは顔が命)。
そしてカメラワーク。これが秀逸。
バトルトラック走行時のゆったりとしつつも風を圧す(切るのではない)感じ、片や大地を疾駆するバイクの躍動感。
空撮によるバイクの俯瞰移動撮影は、ちょっとスピーダーバイクっぽい・・と思ったら、この監督、「帝国の逆襲」の第2班監督だったんだそうです。
遠景で大地、車、山、月を収めるカットなど、しっかり構図を決めていて絵画的美しさ。
全体的にどこか「風の惑星/スリップストリーム」と似た匂いがして好みではあります。
「激突!」を思わせるクライマックスから、「ウェスタン」のブロンソンばりの台詞を吐いて「シェーン」というエンディングはツボのようなそうでもないような微妙な線ですが。
ところで、誰か、“一発屋B級アクション俳優”版「エクスペンダブルズ」撮ってくれないでしようか(「メガフォース」のリメイクでもいい)。
マイケル・ベック、マイケル・パレ、マーク・ハミル、トリート・ウィリアムズ、エドワード・ファーロング・・。ゲストでリンダ・ブレアとジェニファー・ビールス。
・・・無理だな。