『立って。死んじゃいないのよ。
生きる事は痛みに耐える事よ。
さあ、立ちなさい! 今すぐ!』
ハリウッド.コムが選出した、女性主人公が活躍するアクション映画(The Best Female Action Movies)のベスト8の1本(順不同ですが表記はトップ)。
「ロング・キス・グッドナイト」
(1996年/レニー・ハーリン監督)
記憶を失った平凡な主婦サマンサ(ジーナ・デイヴィス)。
愛する夫と娘と暮らす、クッキー作りが得意な小学校の教師。
CIAの腕利きスパイ、チャーリー。
専門は暗殺。必要とあらば標的とも寝る女。
二人は同一人物…と聞けば嫌が上にも「ボーン」シリーズ、「ヒストリー・オブ・バイオレンス」を想起しますが、「ボーン」より6年、「ヒストリー~」より9年早い先駆企画。
ジーナ・デイヴィスと言うとどうしても“「テルマ&ルイーズ」の使えない方”の印象が強いのですが、ここではゆで卵にキメています。
喪失した過去が、記憶ではなく行為から覚醒していく過程(突然包丁さばきが巧くなる、初めて見たはずのスナイパー・ライフルを当たり前のように組み立てる、など)がスリリング。
タイトルから連想するのは「ロング・グッドバイ」ですが、んな事ぁ先刻ご承知とばかりに映像引用、音楽流用。
で、このままハードボイルド路線を走るのかと思いきや、そこはハーリン、無駄に広げた大風呂敷に爆発・爆発、また爆発。いや天晴れ。
あまり芳しい評判を聞かない本作ですが、良く出来たエンターテイメントだと思います。
『俺は今まで正しいことをひとつもしてこなかった』
サマンサ(奥様は魔女に引っ掛けているのか?)の失った記憶を紐解くために雇われ、あれよあれよと言う間に銃弾の雨あられに晒される貧乏探偵サミュエル・L・ジャクソンがいい味を出しています。
※参考:「ハリウッド.COM選出×俺選出 闘うヒロイン」
→2012年1月20日
★ご参考