パキスタン圧勝。 ギリシャ・ゾンビ
各国のボンクラ野郎どもがこぞって作っている“ご当地ゾンビ”。
その国初のホラー、その国初のゾンビ、なんてケースも多く、その国の映画状況、監督の映画体験、リスペクト・ホラーなどが透けて見える所も(文字通り)見所のひとつ。
先般ご紹介した「パキスタン・ゾンビ」は70年代以前の怪奇ホラーにリスペクトを捧げていましたが、本作は「28日後」以降の現代型ゾンビ。
「ギリシャ・ゾンビ」(2005年/ヨルゴス・ノウシアス監督)
街を見下ろす丘の上にカメラを据えて、陽が上ってく様をコマ落しで捉えたオープニングは割りといい感じ。
この丘の上の工事現場で洞窟を発見した作業員3名。
何かの目線でこの作業員に近づいていくカメラ。
ゾンビか、吸血蝙蝠か、はたまた何かの邪霊か、と思わせて画面プッツン。その日の夜までタイム・ワープ。
3人の作業員はご家庭、ディスコ、サッカー会場と各々アフター5を満喫・・していましたが、突如近くの人をガブリ。
噛まれた人はマッハでゾンビ化して隣の人をガブリ。あっと言う間にアパート、ディスコ、サッカー会場がゾンビ祭り(蘇えった死者と感染者が混在)。
以後、辛うじて難を逃れた数名のサバイバルという展開になるのですが、何かが変。
「24」を意識したスプリット・イメージがちょくちょく顔を出すのですが、スプリットにする意味まるで無し。
やたら大仰なSEで煽って何も無し、という肩透かしカットが続いたかと思えば、肝心なシーンに音楽無しSE無し(でも何故か現場音は拾っている)。
もう、凝った演出なのか、ただ下手糞なだけなのか(多分後者)。
緊張感ゼロのまったりシーンが続いたと思ったら、突如「ブレインデッド」な殺戮漫画突入(駄目なりに見せ場にはなっている)。
ここで突然、女子がゾンビ相手にカンフーを使い出しますが、カンフー云々以前にまるでアクションになっていません(運動神経ないだろ君)。
もう、凝った演出なのか、ただ下手糞(以下略)。
冒頭の洞窟に潜んでいたものの正体は最後まで分からず仕舞い。
続編(「ヴァーサス・ゾンビ 時空を超えた生きる屍」)があるようなのですが、全く観る気が起きません。
ご当地ゾンビではやはり「パキスタン」が一番だったかな(次点「香港」)。