『お前は最後に殺すと言ったな』
『ああ、確かにそう言った』
『…嘘だ』
真っ逆さまに崖下に落下していくデヴィッド・パトリック・ケリー(「ウォリアーズ」でガラス瓶カコンカコン鳴らしながら“Warriors, Come Out To Play”って言ってた人ね)。
このちょっと前のシーンでは、娘人質にとって「逆らえないだろ、な?(Right?)」と勝ち誇る敵のメッセンジャーを「いや(Wrong!)」の一言で射殺しています。
脅しの効かない人って本当に素敵です。
「コマンドー」(1985年/マーク・L・レスター監督)
娘の命と引き換えに某国首相の暗殺を命じられた元特殊部隊リーダー、ジョン・メイトリックス大佐(アーノルド・シュワルツェネッガー)。
最愛の娘を押さえれば、どんなリクエストにも応えるだろう・・・甘いよ君たち。
相手は85年のシュワだぜ。天変地異すら弾き返すであろう無敵オブ無敵ズのシュワに死角無し。
そもそも、危機に陥るなどというシチュエーションがあり得ません。
誘拐犯の伝言係をあっさり射殺、某国行きの飛行機に乗った瞬間、見張りの首へし折って離陸直後の機体から紐無しバンジー、見送り係を崖下に放り投げ、別の仲間を串刺しにするお礼参りの回覧板。
娘と首謀者がいる島を突き止めるや、ブルドーザーで米軍放出品店に突入して武器掴み取り。不幸にも巻き込まれたスッチー姉ちゃん(レイ・ドーン・チョン)相棒に旧式セスナでゴーアヘッド!
島に着くや全身武装で男の正装。娘の居場所も確かめずに爆破爆破のエクスタシー。
死体の数も20人くらいまでは数えていましたが、アホくさくなってやめました。
孤島に潜入して大暴れの後に遅すぎた援軍、という図式は「燃えよドラゴン」の韻を踏んでいるとも言えますが、偏差値低すぎで師父に対して不誠実の極み。
これくらい単純で、派手で、馬鹿で、ストレスフリーで、観終わった瞬間スカッと全部忘れて何度でも観れるアクション映画を私は他に知りません。