街をあげてのイリュージョン。 COPPELION♯13天使
毎回「何でこんなに残念なんだ…」と落胆の吐息を吐き続けた本作もいよいよ最終回。
コッペリオンの完成形とまで言われている(という設定のはずの)葵の完全覚醒は最後までならず。
死の風に呑み込まれた遥人は生死不明のまま打っちゃりっ放し。
死ぬ事なんか何とも思っていないはずの第一師団は計画放り投げて全員投降。
残っているのは小津姉妹の確執のみという骨格標本以下の物語要素にケリをつけるべく、街をあげてのイリュージョンが炸裂します。
「COPPELION/第13話・天使」(2013年/金子篤二演出)
死の風を避けるべく決死の電力復旧作業の末、電車を稼動させた荊たち。
その後方に迫る巨大な物体。それは、荊が行動不能にした第一師団の兵器・鉄蜘蛛。
小津歌音が自らの放電による電力供給で再起動させたのです。
ここで、送電線である架線をちょろっと切断すれば電車は停まるのですが、心優しい歌音姉さんは架線を巧みに避けて追撃してきます(写真1枚目)。
荊が鉄蜘蛛を見上げるカットになると何と架線消失(写真2枚目)。
荊がランチャーを放つと鉄蜘蛛華麗にジャンプ。そのまま架線をすり抜けて電車に激突。神業です(この衝撃で脱線しない電車の根性も半端ありません)。
更にカメラが俯瞰になると再び架線消失。良く見りゃ車体にパンタグラフもありません。
電圧とかには随分こだわっていたくせに、基本的な所が丸抜けです。
進路先にはあつらえたかのように崩れかけたビルと屋上に設置された給水タンク。
このタンクの足場を荊がランチャーで破壊。天文学的確率で鉄蜘蛛の上に転がってきたタンクを遥人形見の手榴弾で破壊。水をかぶった歌音が感電…ってちょっと待て。
歌音は常時感電しているので無痛症になっているという設定じゃなかったっけ(原作では)? 痛みを知らないから毎日リストカットして生の実感を得ている妹・詩音を羨ましく思っているという…。
むしろ放電中の歌音を経由した水を浴びた(位置関係的に絶対浴びている)荊の方が感電してしまうのではあるまいか。
なんてこちらの心配をスルーして歌音姉さん景気よく大感電。
荊に詩音を託して車外に身を投げますが、間一髪その腕を荊がキャッチ(その直前の位置関係から絶対不可能だと思いますが、最早そんな事気になりません)。
ここで車外にぶら下がったまま、なんとか人を感動させようという会話を長々とするのですが、電車の外には至近距離に色んな障害物があるぞ。よくぶつからなかったな。
そんなこんなで大団円。3人に小津姉妹を加えた5人は今日も旧首都の生存者を探すのでした。めでたし、めでたし。
結局、最後まで「何だかなあ…」のまま終わってしまいました。
※何度聴いてもサビの部分が“♪中出ししてしまえ!”に聴こえるAngelaのOP『ANGEL』はちゃんと確認すると本編の内容に沿った歌詞になっていたんですね。ED『遠くまで』と合わせて1回くらい字幕で歌詞を出してあげても良かったんじゃないかと思います。