デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

伝説の渡りパンツ。そらのおとしもの[北米版BD‐BOX]

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「この…大量破壊兵器が!」

「私は愛玩用エンジェロイド、タイプαイカロス」

終盤の“存在の苦悩”“主(あるじ)無き葛藤”も見応えがありましたが、序盤~中盤の馬鹿丸出し路線こそ本作の魅力。

伝説のパンツ群舞、渡りパンツの旅と帰還を目撃せよ。その神々しき馬鹿馬鹿しさに笑い泣け。

そらのおとしもの[北米版BD-BOX]」

(2009年10月-12月/斉藤久監督)


これと言って何も無い田舎町、空美町。“平和が一番”がモットーの中学生、桜井智樹。

幼馴染、月見そはらの殺人チョップに翻弄される平和(?)な日常は、空から降ってきた未確認生物イカロスの出現で常識無用・理屈無視・揉め事上等なカオスへ変貌。

道具立ての工夫はありますが、謎の美少女が突然現れて主人公の家に住み着く→美少女を追ってもう一人の美少女が現れるがこいつもいつの間にか居候になる、という鉄板中の鉄板モード。

少しだけ違うのは、

主人公が性に対して興味全開、思春期の衝動に抗わない素直な性格だという事。

「こちとら見たい・嗅ぎたい・被りたい、の思春期真っ盛りだぜ!」


欲望解放時には二頭身に(多分、二頭身描写の方が時間的に多い)。

本作を語る時、避けては通れないのが、伝説のパンツ群舞、乱舞、演舞でしょう。

数百枚のパンツが群れを成して舞い、渡り鳥のように世界を巡る(何故そんな事になったのかは聞かないでください)。

秀逸なのは音楽。毎回EDにはシチュエーションに合わせた懐メロをチョイス。渡りパンツシーンに使われたのは岬めぐり

これは最早、一服の画。

こいつらが世界一周して桜井家に帰ってきた時のアホらしさには目頭が熱くなりました。

この時、智樹が目にしたパンツは全て爆発するという魔法(と言うか呪い)を掛けられたことで桜井家は巨大な地雷原に変貌。

連鎖誘爆によって崩れ落ちた桜井家の瓦礫の下から半裸で現れた智樹。夕陽に照らされた横顔に被る音楽は「戦士の休息」

他のEDも「ゆけ!ゆけ!川口浩!!」「太陽がくれた季節」「ワイルド7などことごとくツボ(最終回は春一番)。

エンジェロイドとマスターの関係は、セキレイと葦牙(あしかび)の関係に似ています。

イカロスを連れ戻すために天界(シナプス)から派遣されたニンフの「智樹がマスターなら良かったのに…」という台詞はセキレイ月海の「なれが葦牙で本当に良かった」に呼応しています(連載は「セキレイ」が2004年~、「そらの~」が2007年~)。

一撃で国を滅ぼす事が出来る全身兵器の天使が、その記憶を失って人間と接し、やがて感情が芽生えてくる、という展開はアイアン・ジャイアントですね。

同じ素材でも盛り付けひとつで違う料理になる好例かもしれません。

※北米版BD-BOXはBD2枚+DVD3枚のコンボタイプで約4,000円。来年2月発売予定の国内版は「俺得BOX」が15,750円、「ギャルにモテモテBOX」(なんじゃそりゃ)が28,350円。

★ご参考