学生が科学的降霊会とかやったら、幽霊の代わりに得体の知れない“何か”がやってきて関係者全員大迷惑。
降霊会は、女性1名が壁の中に引きずり込まれて終わるという大惨事に。
人一人が消えたわけだから、当然警察捜査の及ぶところになるはずですが、そこは黙ってスルー。
数年後、実験関係者のひとりベン(セバスチャン・スタン)は恋人ケリー(アシュリー・グリーン)と共に郊外の新居に。
が、着いた当日から怪奇現象続発。
物音の臨場感など5.1chの効果が地味ぃに発揮されています。
科学的アプローチに関する理屈はビタ一文理解できませんが、理解する必要もないでしょう。
霊的エネルギーを科学的に吸引する(本作の場合は“押し返す”)、なんてことは「ヘルハウス」でもやっていた事ですし、まあ、そういうもんだと思うしかありません。
やってきたのが何で何がしたいのかも全く以って分かりませんが、あっちの世界の都合ですからこれも別に分からなくて良いでしょう。
ただ、全体的にもうちっと“理に落ちる”作りになっていた方が“ノレた”かな、とは思います。
家の中の怪異はどれも身近で起きたら嫌々ですが、特に嫌だったのが、壁と天上の狭間に突然現れた変なもの。
何かの巣をモデルにしているのだと思いますが、心霊現象なんかよりこれの方が100倍嫌。
これを棒でつつくなぞ言語道断。中から妙なモノが出てきちゃったらどうするんですか(実際出てくるんですが…)。
終盤にちらっと顔を出す女性はどう見ても伽椰子さんですね。
右が本家・伽椰子さん
背後から手が出てきたり、そのまま引きずり込んだり、も「呪怨」の基本パターン。
幅広くホラー好きな監督さんのようですが、全体的に華がないのが辛いところ。
ダークキャッスルが作品を撮り終えてから、ワーナーが塩漬けすること2年(しかも公開範囲は最小限)。日本では未公開ビデオスルー。
何となく分かる気がいたします。
ひとつ気になったのが、新居に張られていたポスター。
83年に解散して95年に再結成。「LAND OFTHE DEAD」はアルバム「DEVIL’S RAIN」(2011)に収録。
ハードコアパンクという括りですが、割と真っ当なハードロックに聞こえます。
「DEVIL’S RAIN」のプロモにはまんま「DEVIL’S RAIN(魔鬼雨)」の映像がふんだんに使われています。
まあ、そっち方面がお好きなバンドであり、監督であるということでしょうか(好感は持てる)。