日本でクラウン(≒ピエロ)と言うと、せいぜいサーカスのMC、バーガー屋の看板キャラ程度の認識で、お子様に広く愛されるキャラと言うにはちと力量不足。
加えて、2010年にはキグレNewサーカスが倒産し、バーガー屋の代名詞であるチェーン店は売り上げダダ下がりで経営危機状態。クラウンの知名度も風前の灯。
が、しかし、何故かアメリカではクラウンはお子様の人気者。お誕生日パーティの出張サービスは割とオーソドックスな企画のようです。
これは呪われたクラウン変身セットを着てしまったパパの受難。
「クラウン」(2014年/ジョン・ワッツ監督、イーライ・ロス製作)
ケント(アンディ・パワーズ)は不動産屋。持ち主死亡で差し押さえられた物件のチェックをしていたら、妻からエマージェンシー・コール。
息子の誕生日に呼んだクラウンが手違いで来られなくなった…だと。
何か知らんがこの家には古い衣装が一杯ある。何か使えそうなものはないか…。おっとクラウン変身ツールがあるじゃないか。よーし、これを着てパーティ会場に…。
パパの作戦は大成功。息子大喜び。あー疲れた。んじゃ衣装を…脱げない。
カツラが…取れない。化粧が…落ちない。赤っ鼻も貼りついたように…。
この状況って結構パニクりますよね。自販機の奥に突っ込んだ手が抜けなくなった…みたいな。
実はこの衣装、過去に幾多の血を吸ってきた呪いのコスプレセットでした。
かつてその衣装を着、そして生還した男の話によれば、呪いを解くには5人の子供の生贄が必要なんだとか(ただ単に殺すのではなく、喰う。エグい。イーライが喰いついたのはここか)。
ずっとコスプレ殺人鬼で通すのかと思いきや、段階的に変身していくというクリーチャーものに(ここは賛否が分かれるかもしれませんが、私的にはアリ)。
直接的なゴア描写は少な目ですが、被害者ほぼ全員が子供(犠牲者はただの死体ではなく喰い散らかされた残骸)だと思うとこれが限界かもしれません。
滑り台から喰いちぎられた腕が大量の血と共にウォーター・スライダ―のように滑り落ちて来る所はなかなかでした。
最後は息子のためにママ頑張る、というお決まりのオチでしたが、そこそこ楽しめる仕上がりにはなっていました。
おまけ:クラウンあれこれ。
映画でクラウンと言えばやはり「IT」でしょうか。最近の低予算拾い物なら「道化死てるぜ!」、飛び道具として「マーダー・ライド・ショー」「デビルズ・リジェクト」のキャプテン・スポルディング。
日本でこれやろうと思ったら何になるんでしょう。獅子舞とかでしょうか(いや、呪われてなくても子供泣くから駄目だな。じゃあ、なまはげ…もっと駄目か)。