
エリオットくんは気の優しい青年ですが、(優しいが故に)人生ズンドコ。
奨学金は返せず、仕事はクビ、婚約者(黒人)妊娠、家には知的障害の弟、更に退去命令を受けた差別主義者の強欲親父が同居を迫る。
送電ストップもファイナル・カウント・ダウン。最早サマージャンボでも当たらない限り現状打開は絶対不可能な終末局面。
そこに掛かってきた1本の電話。
『おめでとう、君はゲームの参加資格を得たぞ。さあ、課題をクリアして億万長者になろう。まずは目の前のハエを殺せ』
ハエを殺すと口座に1,000$の入金が…。何なんだ、これは…。

課題は全部で13。全部クリアすれば億万長者。失敗すれば全部没収。リタイヤしても没収。ゲームの事を誰かに喋っても没収。主催者にコンタクトしようとしても没収。
どうするよ、俺…。
「13の選択」(2014年/ダニエル・スタム監督)
監督は「ラスト・エクソシズム」撮った人。
最初は軽い罰ゲーム。次にちょっと洒落にならない悪戯レベルになり、やがて完全な犯罪行為に。しかし、その度に賞金は跳ね上がっていく…。
やめられない…。
アイデア一発ではありますが、周辺環境の多層構造化(主人公以外にもゲームに参加している人間がいる。かつてこのゲームで巨万の富を手にした人間がいる。独自にこのゲームの正体を調べている人間がいる。など)がお話に予測不能な面白さを付加しています。

次は何をさせられるのか、と結構ドキドキしちゃったのは語り口が巧いからなんだろうなあ。