ううむ、これは…。
この手のものが不得意な人は胃から食道にかけて、熱いモノがこみ上げてくるかもしれません。
「ザ・ベイ」(2012年/バリー・レヴィンソン監督)
はい、あのバリー・レヴィンソンです。「レインマン」「わが心のボルチモア」「グッドモーニング・ベトナム」のレヴィンソン監督が何を血迷ったかファウンドフッテージ・ホラーに挑戦。
メリーランド州チェサピーク湾にある小さな海辺の町クラリッジ。
7月4日祭で賑わう町に謎の伝染病が。
最初の犠牲者が出てから、町全体が死体置き場と化すまでを、学生レポーターの取材映像、病院の監視カメラ、パトカーの記録映像、ラインのやりとり、観光客のビデオ、海洋研究者の証拠映像などを縦横無尽に編集して惨劇の顛末をドキュメンタリー風にまとめています。
後日見つかった(という設定の)ビデオ映像を垂れ流しているわけではなく、次々視点が変わっていき、必要な所ではきっちりSE/BGMも流れるので普通に映画として観賞することができます。
で、このカラミティの原因、病原菌ではなく寄生虫。
これが宇宙から来た細菌だの未知の生物だのといったSF設定なら、多少グロでも気にしないのですが、原発汚染水と養鶏所から垂れ流される大量の鶏糞(飼料にはステロイドがたっぷり)による海洋汚染が生んだ突然変異のワラジムシとなると、話は別。
マジ、グロいっす(写真は自主規制)。
おや、魚の中に何かい…うわあああぁあぁ!
おまけのこの町には海水淡化装置なる自慢の施設があり、飲料水としても供給されています。
海水浴客に汚染魚喰った人に水飲んだ人…となるとほぼ全員が犠牲者。
皮膚が爛れ、水泡が出来、出血し、体内で成虫となったワラジムシが内側から内臓を喰い荒らす!
『何かが身体の中で動いている! 助けてくれ!』
『今すぐ(患者を見捨てて)病院から避難しろ』
あくまでドキュメンタリーという体なので、映画的盛り上がりやそれっぽいオチがないのが不満かもしれませんが、生理的嫌悪感が半端無いのでインパクトだけは絶大です。