『私達はご先祖様に生き方を教えてもらって生きてきたんやから。よそ者に受けた恩なんかないよ!』
『そうか。それもいいやろ…。一生この森の中で自分や同族のみの価値観で生きていくんも。けどなサシャ。それと心中する覚悟はあるんか? これからどんな危機に見舞われてん助けを乞うてはならんとぞ。義務を果たさん者がその恩恵を受けることができんのは当然やからな』
「サシャ、お前には少し臆病なところがあるな。この森を出て他人と向き合うことはお前にとってそんなに難しいことなんか?」
あれから3年。巨人襲来を伝えるため故郷の森に戻ったサシャ。森の手前に出来た新しい村では、幼い娘の眼前で母親が生きたまま巨人に喰われていた。
せめて娘だけでも…。刃はない。立体機動装置もない。馬も逃げた。武器は弓のみ(矢は4本)。
これまで芋女が肩書だったサシャの狩猟民族の血が覚醒。
『ねえ聞いて。大丈夫だからこの道を走って。弱くてもいいから。あなたを助けてくれる人は必ずいる。すぐには会えないかもしれないけどそれでも会えるまで走って。さあ行って!走って! 走らんかい!!』
他人と接することの恐怖。方言を飲み込んだ丁寧語。最早隠す必要のない自分。頸木から解放された一言『走らんかい!!』。
外したら自分も娘も命がない最後の一本。
巨人を退けたサシャの前に現れたのは父。
『サシャ…立派になったな』『お父さん…ただいま』
「進撃の巨人/第27話・ただいま」
(2017年4月10日BS11放送/井端義秀演出)
ただいまを言う相手に出会えたサシャ。一方、コニーは…。
『誰か…誰かいないか!俺だ!コニーだ!帰って来たぞ~!』
「おかえり」の声は掛からない。コニーを出迎えたのは自宅に嵌って動けない巨人。その正体は恐らく…。
同じ「ただいま」のはずなのに…。