アイデンティティの全てを叩き込んだ渾身の名乗り。
それは自信、それはプライド、そして矜持。
「ゾンビランドサガ/第6話・だってセンチメンタルSAGA|第7話・けれどゾンビメンタルSAGA」(2018年11月7日、14日深夜BS11放送/境宗久監督)
第5話では昭和のアイドル・紺野純子と平成のアイドル・水野愛の凄絶な死にざま(飛行機墜落/落雷直撃)が明かされました。
同時に昭和と平成の隔たりがそのままアイドル観の乖離となり、ふたりの間には大きな溝が…。
そこに舞い込んできたフランシュシュの佐賀ロック出場。
そこは野外ステージ。愛がかつて所属していたアイドルグループ、アイアンフリルも出場。その公演中に落雷の直撃を受けて死亡した愛にとってはトラウマの闇鍋。
ファンとの距離をとらない現在のアイドル観についていけず、引き籠る純子。
ドアも心の壁も蹴破ったのは巽。
昭和なバリケード。頭にはキノコが(マタンゴか?)。
『嫌なら断れ。無理に迎合する必要はない』
『でも愛さんが…』
『それが私のキャラだといってやれ。
愛には愛の、純子には純子の個性がある。
お前らはゾンビィだがロボットではない。
この時代に昭和アイドルの矜持を持って活動するその姿をメンバーやファンたちに見せてやれ』
ど、どうした巽? ここからの展開は王道とシリアスとギャグが秘伝のレシピで混合された神展開。
復活純子(しかし巽に轢かれる)、雷雨に委縮する愛、価値観を越えてフォローする純子、景気よくステージに落ちる雷。
死因トラウマと世代間ギャップを克服すると同時に、伝説のステージを作り上げる。しかも彼女らはゾンビ(この時の曲がまたいい)。
改めてOP「徒花ネクロマンシー」を聴くと一層沁み渡ります。