(もうすぐ夏休みが終わって、劇の練習を重ねて、お姉ちゃんの命日が過ぎて、文化祭の日が来る。私ちゃんとやるからね。お姉ちゃんができなかった事を、お姉ちゃんの代わりに)
七海先輩に変わってもらう(自分を好きになってもらう)ための生徒会劇台本修正。
てっきり文化祭までやって終わる(もしくは文化祭すらすっ飛ばしてエピローグを語る「タッチ」「クーガ」方式にする)かと思っておりましたが、なんのなんの。
まさかの俺たたエンド。しかし、これはこれで良い。
「やがて君になる/第13話・終着駅まで|灯台」
(2018年12月28日/加藤誠演出)
時間軸はまだ夏休み。お盆が過ぎて最終コーナー。
侑はこよみと台本修正。侑の台詞ドカ増えの気配(こよみがちょっと嬉しそう)。
(新しい台本を読んだら七海先輩はなんて言うだろう? 先輩に会いたい…ような気がする。でも私からなんて…)
以前の侑ならここで踏みとどまっていましたが、
『えっ侑から!?』
目的地は水族館。どうも水族館は心象風景を投影するのに最適の場所のようです。
視線の方向が異なる二人。
イルカの大ジャンプでアホ毛の先まで水浸し。爽やか過ぎる笑顔。
侑を好きといえるのは姉の模倣ではない。偽者ではない自分。お姉さんみたいになりたいくせに自分を確認して安心する矛盾。そのことに気づいている燈子。
『矛盾…しててもいいんじゃないですか?別に』
こともなげに肯定する侑。悩みが悩みでなくなる瞬間。
ペンギン大行進を待つ間、劇の練習(とこよみの台本修正のヒント掴み)名目で、燈子にエチュードを仕掛ける侑。
『私はここに来てからのあなたしか知らない。でもあなたの癖を知っている。あなたの好きな小説も、あなたの好きな花の色も。知らないんです、あなたしか』
家族でも友人でもない看護師役の侑には、今のあなたがあなた。並べられた過去の人格からひとつを選ぶ必要など…。
帰りの電車。うたた寝をする燈子の耳元でそっと告げる。
『先輩…そろそろ乗り換えですよ』
二期を…早く。