《この瞬間今までの俺の人生が報われる。そんな気がした》
下衆にして蒙昧。これまでのドラマなら調子こいた挙句、真っ先に命を落とす捨て石キャラ。それが本作の主人公・堂嶋大介。
好き嫌いの分かれる所ですが、敢えてこの設定にした製作陣の意気込みとギャンブルを買います。
「revisions リヴィジョンズ/Case 02・勇者願望」
(2019年1月16日放送/平川孝充演出)
渋谷もろとも2338年にすっ飛ばされた大介ら。学校が面妖な巨大生物(リヴィジョンズ)に襲撃されますが、未来人ミロの用意した対リヴィジョンズ操縦型戦闘システム・ストリングパペットを駆って初陣を飾ることに成功。
《すごい…俺はすごい…これでこれからもみんなを守れる。やっぱりミロが言った通りこれが俺の運命なんだ!》
「力」を手に入れた大介はノリノリウキウキキャッキャウフフの有頂天。普通ならここで手痛いしっぺ返しが待っているところですが、意に介さず視界に入れず天上天下俺様独尊。
あー何か清々しくなってきました。こういう教育的配慮の無い主人公設定。
で、本作と「漂流教室」の大きな違いは、飛ばされたのが学校単体ではなく、渋谷だという事。
交通機関が麻痺して通信が寸断されて未知の巨大生物と戦闘兵器が戦っているとなれば当然警察が介入します。
『やめとけ!これ以上勝手に抑止力を行使するな。それとこんなの簡単に使われたらたまったもんじゃないからとりあえず全員逮捕な』
実にクレバーな判断です。この大人の介入が話の流れを堰き止めたりするとストレスですが、大人代表、牟田誠一郎(渋谷区区長)と黒岩亮平(渋谷警察署署長)が理解早い・飲み込み早い、そして喰えない(特に区長。こいつ絶対腹に一物持ってる)の三拍子揃った権力者。文句垂れる輩を一喝、話をポンポン進めてくれます。
『ですからここで一つ手を打ちましょう。非常時ということで賛同していただきたい』
『みなさん。我々災害対策本部はここに渋谷臨時政府の樹立を宣言します!』
更に
『実戦経験者であるこの堂嶋大介君を中心とした渋谷防衛部隊S.D.Sをここに設立する』
ストリングパペットは予備機があと2台あり、操縦できるのは大介の仲間、ガイ、ルウ、まりまり、慶作だけ…らしい。
そしてこの笑顔である。
外野の轟々たる野次の中、不敵に笑う大介。
もうお前に反省とか試練とかいらんから、このまま突っ走れ。