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溢れ出る暴力衝動を抑えきれず、飲んでは暴れる中高年。
こういう歳の取り方はしたくねーなーと思いつつ、近未来の自分を眺めているような合わせ鏡の近親憎悪。
「思秋期」
(2010年/パディ・コンシダイン監督)
ジョセフは失業中。妻には先立たれ、子供も無し。常時、間欠泉のように湧き出る怒りを抑えきれず、酒を飲んでは大暴れ。賭けでスッては大暴れ。失業保険金受け取り窓口でも冷たくあしらわれて大暴れ。
勢いで愛犬まで蹴り殺し…。
ガキに絡まれたら迷わず背後からナックルパンチ。追われて逃げ込んだリサイクルショップにいたのがハンナ。
ちょいとハイソなエリアに住み、神を信じるハンナにも噛みついてしまうジョセフ。
![イメージ 2](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/z/zombieito/20190828/20190828080339.jpg)
「世の中の辛酸をなめたこともないくせに…」
なめてました。ハンナはハンナにしかわからない辛酸を。
ジョセフが“元々は善人だったけど妻に先立たれて粗暴になった”訳じゃないのがミソ。
この人、多分昔からロクデナシです(死んだ奥さんにも相当辛く当たっていたっぽい)。
近づき過ぎれば傷つけ合う。それでも癒されたいと願う(ヤマアラシのジレンマ)。
ハンナに名前を聞かれたジョセフの咄嗟の応え。「ロバート・デ・ニーロ」。
どこか手触りが「タクシードライバー」に似ていると感じるのは気のせいでしょうか。