デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

中高年、飲んで暴れて癒される。 思秋期

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溢れ出る暴力衝動を抑えきれず、飲んでは暴れる中高年。

 

こういう歳の取り方はしたくねーなーと思いつつ、近未来の自分を眺めているような合わせ鏡の近親憎悪。

 

「思秋期」

2010年/パディ・コンシダイン監督

 

ジョセフは失業中。妻には先立たれ、子供も無し。常時、間欠泉のように湧き出る怒りを抑えきれず、酒を飲んでは大暴れ。賭けでスッては大暴れ。失業保険金受け取り窓口でも冷たくあしらわれて大暴れ。

 

勢いで愛犬まで蹴り殺し…。

 

ガキに絡まれたら迷わず背後からナックルパンチ。追われて逃げ込んだリサイクルショップにいたのがハンナ。

 

ちょいとハイソなエリアに住み、神を信じるハンナにも噛みついてしまうジョセフ。

 

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「世の中の辛酸をなめたこともないくせに…」

 

なめてました。ハンナはハンナにしかわからない辛酸を。

 

ジョセフが“元々は善人だったけど妻に先立たれて粗暴になった”訳じゃないのがミソ。

 

この人、多分昔からロクデナシです(死んだ奥さんにも相当辛く当たっていたっぽい)。

 

近づき過ぎれば傷つけ合う。それでも癒されたいと願う(ヤマアラシのジレンマ)。

 

ハンナに名前を聞かれたジョセフの咄嗟の応え。「ロバート・デ・ニーロ」。

 

どこか手触りが「タクシードライバー」に似ていると感じるのは気のせいでしょうか。

 

 

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