アポイントなしで企業訪問することを「飛び込み」と言います。
そして飛び込み営業には神話の英雄が遭遇するが如き「試練」が待っています。
試練1:バトリング罵倒【建設業なんか大っ嫌いだ】
コンサル会社にいた時の事。雑居ビル(基本「受付」なんて小洒落たものはない)の建設会社に飛び込みました。
『失礼しま…』
『おんどれ人が仕事しとるんが眼に入らんのか!誰が勝手に入っていい言うた!われ、どこの者じゃ!』
いや別に組の人間じゃなくて、ただ社員研修の企画持ってきただけなんですが…。
なおも続く罵詈雑言に蜂の巣になりながら「うう、建設業なんか大っ嫌いだ」と嗚咽を堪えてフェイドアウト(これ以降、建設業は玄関薄く開けて“そっ閉じ”が習慣になりました)。
試練2:魔法陣で詠唱を【飲食業も大っ嫌いだ】
飲食業になると逆にしたたか。
とある居酒屋の事務所に飛び込んだ時の事。
接客研修のセミナー案内をしていたら、突然制服(着物)姿のお姉ちゃん&元お姉ちゃん軍団がドドドドっと雪崩込んでまいりました。
狭い事務所が一気に人口過密状態に。
『あ、伊藤さん、今から朝礼やるんで参加してってください』
お店の専務に業務命令の如く言い渡され、訳の分からぬまま円陣の中に押し込められました。
知る人ぞ知る営業ソング「セールス烏」大合唱後、発声練習。接客五大用語唱和。そして突然、専務が、
『今日はお客さんが来ております。株式会社○○の伊藤さんです。では、伊藤さんに3分間スピーチをしてもらいましょう。テーマは接客とは、です。ではどうぞ』
おっさんいっぺんぶち殺したろか、と軽い呪詛を吐きながら、さも打ち合わせ済みのような顔をしてテキトーな話をしてまいりました。
試練の甲斐あってセミナーは受講して頂けましたが、やはり「うう、飲食業なんて大っ嫌いだ」と思ったのでありました。
教訓「ネタは常に仕込んで置け」。
番外試練:のど自慢の幕が開く
試練は与えられるだけではありません。与える立場になる時も。
コンビニ関連の会社に転職した時、事務所に民藝食品(珍味みたいな奴)の売り娘がやってきた事がありました。
この時、私の同僚が『んじゃ君の故郷のご当地ソング唄って』という「よくそんなこと思いつくな」的試練を課しました。
するとこの娘、慌てず騒がず「はい、じゃあ・・」と地元の民謡を浪々と歌い出したのでございます。突然の歌声に皆仕事の手を止め3分間。拍手。もう何か買わねば引っ込みがつきません。
セールステクニックなどという言葉がいかに薄っぺらいお題目か、身に沁みて分かりました。
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★本日10月15日は「きのこの日」
日本特用林産振興会が1995(平成7)年5月の総会で制定したそうで。
きのこの日となれば、これをご紹介しないわけにはいきません。
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★本日のテレビ放送【13:00~BSプレミアム/プレミアムシネマ】