陽炎の彼方から靄を紡いで現れた死神ひとり。
「荒野のストレンジャー」
(1972年/クリント・イーストウッド監督)
イーストウッド監督2作目。以前ご紹介した「ペイルライダー」は本作の続編(セルフ・リメイク?)。
海辺の小さな町ラーゴに現れた名無しのガンマン(イーストウッド)。
「ペイルライダー」では大人(?)になったのか、銃もアソコも禁欲的でしたが、まだ若いこちらはどっちも“暴れん坊将軍”。
絡んできたチンピラ3人瞬殺、そのまま女を納屋に引きずり込んで一発。
お礼参りにやって来る悪党から町を守る“用心棒”ものと見せかけて、実はひねりを効かせた復讐もの。
イーストウッドの正体が分かってくると同時に、復讐の対象がム所帰りの3人組だけでなく、町全体であることが判明する過程がスリリング。
善意の皮を被った大衆こそ唾棄すべきもの、という事でしょうか。
是非、「ペイルライダー」と2本立て、いや出来る事なら哀川翔の「超極道」と3本立てでご鑑賞ください。
★ご参考