Hornet gun... check. Hornet sting... check. Let's roll, Kato!
TVシリーズ「グリーン・ホーネット」からカトー(Kato、ブルース・リー)の出番が多いエピソードをつまんで劇場公開したやり逃げ企画。
セス・ローゲンによるリメイク版がはらほろひれはれな出来でがっくりしましたが、いやあ、オリジナルもぶっ飛んだ出来でした。
「ブルース・リー IN グリーン・ホーネット」
(1967年/ノーマン・フォスター監督)
コートと帽子に緑のマスク姿で正体を隠し犯罪と戦う謎のヒーロー「グリーン・ホーネット」。
その正体は、デイリーセンチネル新聞社の若き社長ブリット・リード(ヴァン・ウィリアムス)。
彼のパートナーとなる拳法の達人がカトー。
冒頭の台詞は愛車ブラック・ビューティー号に乗り込んだホーネットが武器のチェックをして、運転手であるカトーに発進の合図をするところ。
このブラック・ビューティー号発進シークエンスだけはやたらとかっちょいい(ジオラマ欲しい)。
内容は3つのエピソードを超テキトーに繋いだ暴れん坊編集。
主人公も敵役もわがまま放題し放題。
マフィアの事務所に出向く度にドア爆破。「ノックしてくれれば開けたのに」とマフィアが愚痴りたくなるのも分かります。
銀色のサウナスーツにパーティグッズのようなゴーグルつけて「宇宙人だ!」と言い張るマッドサイエンティスト↓。
理屈は分かりませんが指先から謎の電撃を飛ばす宇宙人秘書↑。
UFO作って飛ばす科学力があるんなら、核くらい自前で作れるんじゃないのか。オーソン・ウェルズのラジオドラマを現実の小芝居にしてどうするよ。
登場人物の行動が常識のモノサシを余裕でフライングしている上に編集が勢い任せなので見ている間中マラソン突っ込み。
『え、何があったの今? 何で? マジ? あ、ヌンチャク…って使わねぇのかよ! ん、このエピソードこれで終わり? 解決したの?』
最後はチャイナタウンの勢力争いにホーネットらが巻き込まれる話。実にスケールが小さいエピですが、クライマックスが黒い野心を持った中国人のチンピラとカトーのタイマン勝負なので、絵的には大正解。
決闘も古式ゆかしい挨拶の儀式から始めるのが微笑ましい。
まあ、そっくりさんではない本物のブルース・リーが拝めるという1点に於いて価値あるソフトではあります。
おまけ~カトーを継ぐ者たち
まず思い出すのが「ピンクパンサー」シリーズ(2作目以降)でクルーゾー警部(ピーター・セラーズ)の弟子兼使用人として登場したケイトー(Cato/バート・クウォーク)。
“隙あらばいつでも奇襲OK”というルールで日々腕を磨く仲良しコンビです。
最近(でもないか…)では何と言ってもタラの「キル・ビル」に登場した“クレイジー88”。
何と全員がカトーマスク装着。
初めて「黄色いトラックスーツ着たユマ・サーマンがカトーマスク付けた連中相手に日本刀構えて仁王立ちしている」ビジュアルを見た時の衝撃ったらなかったですよ(作品の出来がわっはっはっだったのは忘れましょう)。
御用とお急ぎでない方は「オーガズモ」も観てやってください。
★ご参考各種
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★本日のTV放送【19:00~BS12/土曜洋画劇場】