デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【絞首刑って…】ヒューマンバグ大学 不死学部不幸学科 #1【窒息死狙いじゃないのか】

佐竹博文。婚約者とその友人を殺して燃やした極悪非道の犯罪者にして、どこにでもいる普通の「死刑囚」。

どう見てもどこにでもいる後藤隊長ですが…


判決、収監、そしてやってきた死刑執行の日。

最期の食事は予ねて刑務官にリクエストしていた鯛の刺身。美味い。

定められた手続きに則って(本人は土壇場で泣きわめきましたが)刑は無事執行。


しかし…

「ヒューマンバグ大学 不死学部不幸学科/第1話・死刑囚 佐竹博文 婚約者を惨殺した…冷酷非情の男」(2022年10月5日TOKYO MX放送/西山司演出)

前半の死刑執行に関する細かい説明と描写は、是非、大島渚監督の「絞死刑」冒頭部と照らし合わせながらご覧ください。


「絞死刑」同様、受刑者の肉体は死を拒絶。

佐竹は死にませんでした。気が付けば知らない天井。

ここはどこだ? 俺は一体…

目の前には知らないおっさん。医者のようにも見えますが、何かとても怪しい。

おっさんが言うには、自分は死刑囚として刑の執行が成されたものの死なずに生き残った(今後の扱いをどうするかは現在偉い人たちが激論中)…らしい。

『絞首刑は窒息死ではなく、落下の衝撃で起こる頸椎骨折での即死を目的としています』

そ、そうだったのか!?(←法学部出身とは思えぬ学の無さ)

それで床下にあれだけの空間が確保されているのか。

しかし、それだけだと稀に首の丈夫な人が生き残ってしまうので、15~20分放置して窒息死させる(窒息は保険だったのか!?←法学部出身とは以下略)。

何と佐竹は、類稀な強化頸の持ち主で頸椎が折れず、加えて執行前に食べた鯛の刺身に含まれるアニサキスアナフィラキシーショックを起こしており、これによって1回死に至り(これを窒息死と間違えた医務官が死亡を宣告)、窒息死前に縄を解かれ、その後奇跡的に蘇生した、という事のようです。

『そんな滅茶苦茶が起こるんですか?』

実際、その滅茶苦茶が起きた訳ですが、実は佐竹さん、これまでに数えきれない死線を掻い潜って来た死なない男、アンデッドマンなのでした。

世界中の様々な病気に片っ端から罹患。その華麗なる病歴は…


これだけの病気に掛かった場合の生存率は単純計算で0.2%以下(もっと低いと思います)。

『佐竹さん、あなたの存在は奇跡だ、いや、バグだ。神が作りたもうたこの世界、そのシステムに生まれたバグ…私はあなたのような存在を研究したいのです』

このおっさんは医者ではなく、自称教授。そしてここは、世界中で報告されている不可思議にして不条理なる出来事を研究する施設「人類瑕疵研究所」、人呼んで「ヒューマンバグ大学」なのでした。


何故、佐竹はこんな常識外れの経験をする羽目になったのか、そして何故、婚約者を惨殺しなければならなかったのか、の答え合わせが次回からのお話のようです。

原作は実話を題材に人間の闇をテーマとした漫画動画を公開しているYouTubeチャンネル「ヒューマンバグ大学 闇の漫画」

面妖なアニメが出てきたものです。

おっとEDは「BAD CITY」アレンジじゃないですか!SHŌGUN懐かしす。

 

★ご参考(この機会に是非!)

 

 

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★本日10月6日は室田日出男(1937~2002)の誕生日。

昨年は「狂った野獣」「大都会 闘いの日々」「野獣死すべし」の3本をお届けしましたが、今年はこの3本を。