「スカっと爽やか系暴力映画」かと思ったら、「切ない系家族ドラマ」でした。
(1993年/ジョエル・シュマッカー監督)
冒頭の酷暑下ハイウェイ大渋滞のイライラ焦燥シーンが秀逸。
この状況にキレた男(マイケル・ダグラス)が車を乗り捨てて歩き出します。一言、「家に帰る」と言い残して。
途中、ささいな悪意にキレ、キレがキレを誘発していつしか大惨事に。
キレる度に男の持ち物が、バット→バタフライ・ナイフ→マシンガン→バズーカ、と「わらしべ長者」のように豪華になっていきます(笑)。
男を追うのは、神経症の妻(チューズデー・ウェルド)をなだめるために事務屋に異動し、署内でチキン扱いされている退職間近の老刑事(ロバート・デュバル)。
家族も仕事も失った男が、家庭(奥さん、バーバラ・ハーシー)を求めて彷徨う姿が実に切ないです。
ラストシーンは深作が「バトル・ロワイアル」で丸パクリしてました。