デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

♪どこに行っても鼻つまみ、ウェイ! 独立愚連隊西へ

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ウルトラセブンの「ウルトラ警備隊西へ」、パトレイバーの「特車隊北へ」、伊吹秀明の「猫耳戦車隊、西へ」など「○○隊、○(方位)へ」タイトルの原点。

「独立愚連隊西へ」(1960年/岡本喜八監督)

満州で行方不明になった軍旗を巡る日中の争奪戦。日の丸描いた布切れ一枚のためにバッタバッタと人が死んでいきます。

『大丈夫なのかい、今度の捜索隊?』

『今度は大丈夫だ。現役バリバリの一個小隊だからな』

『貧乏くじを引いたもんだな』

『貧乏くじならとっくに引いてる。戦死公報出た後ひょっこり戻ってきた連中でな。軍も処置に困って危険な所ばかり送ってるんだが運がいいのか一人も死なん』

『わかった!噂は聞いてるよ。左文字小隊!』

そう、これが加山雄三佐藤允率いる「独立左文字隊」。

女が大好き、物資が無くなれば味方の補給車を襲って強奪、とにかく「生き残る」事を最優先に行動するスチャラカだが侠気溢れるアウトロー達です。


『あんた、俺達が捕虜交換で戻ってきた時、妙なものくれたよな?(銃声)そう、ピストル。おかげで俺の仲間5人は自決しちまった。でもね、捕虜になったからって、軍旗を焼いたからって、腹を切って詫びる必要はないと思うんだ』

軍旗という国家(天皇)の象徴を取り戻すという大儀の前で「そんなもんの為に死ねるかよ!」という喜八監督の啖呵が聞こえてきそうです。

公開当時(1960年)、暴力描写が多いのなんのとくーだらない難癖をつけた良識派の人々がいたそうです。今も昔も馬鹿につける薬はありませんね。