デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

これが本物のパンデミック。 復活の日

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妻夫木くんが「もう、愛する人を死なせなくないんです!」とか言い垂れてる某細菌映画のTVスポット見て「スイーツ・ホイホイ」という新しいジャンルを思いつきました。

細菌感染映画は数多いですが、そのスケールの大きさで他の追随を許さないのが、

復活の日(1980年/深作欣二監督)

猛毒ウィルスMM-88が世界規模で蔓延(正にパンデミック!)。抵抗虚しく人類は南極大陸に一握りを残して死滅。

ここまでで十分地球規模の大惨事ですが、更に、下痢腹に浣腸的追い討ちをかける事態が発生!

アメリカ東部に直下型大地震の可能性が。アメリカにはARSという自動報復装置があり、もしこれが“生きて”いれば(勿論、生きてます)、コンピュータが地震ソ連の爆撃と勘違いして、ソ連にミサイルを打ち返すことになります。

ソ連でも同様のシステムがあり、これが“生きて”いれば(当然、生きてます)、自動的にアメリカにミサイルを打ち返すのですが、その内の何発かは標的設定が南極に・・・。

小松左京という極太のSFが書ける作家と、深作欣二という器のでかい監督と、角川春樹という金の使い方を知らない放蕩製作者がいて初めて映像化可能になった傑作です。

CGだけ派手な「四畳半パニック映画」しか撮れない日本映画界の人材不足は深刻ですね。

昔の「畳む気なんかさらさらないが、とりあえず広げた風呂敷は無駄にでかい、ハッタリ100%根拠ゼロ、でもドラマはきっちり撮れるよプロだからね的邦画」が懐かしいです。