心霊写真という“音”だけで嫌ぁな感じのする(しかも日本のお家芸的な)題材を扱っておきながら、この恐怖感の無さはなんじゃらほい。
「シャッター」(2008年/落合正幸監督)
仕事と新婚旅行を兼ねて日本に来たアメリカ人夫妻(旦那の仕事はカメラマン)がエライ目に逢うという「JUON」パターンの来日ホラー。
・・なのですが、これが全然怖くない。
“日本ならこんな絵柄撮っとけばアメリカ人は喜ぶだろ”的絵葉書画像にまずうんざり。
超常現象の原因である“旦那と日本女性のいきさつ”もほとんど言葉で説明しちゃうから「ああ、そうですか」って感じで怖くもなんとも。
思わせぶりな現象がだらだら続いて、本格的に犠牲者が出るまで50分。長いよ。
心霊写真も妙な光被りしているだけで芸がないったら(もっと思い出したくも無いような小道具作れよ)。
役者も総じて華がない。もう、こういう役は全部ナオミ・ワッツでいいじゃん。
本作がハリウッド・デビューとなる奥菜恵は神経症的な感じが良く出ていてナイスでした。
脚本も後出しジャンケンのくせにヒネリが無い。何でも荼毘にふせば成仏する訳じゃないってのは「リング」でやってるんだから、何か新しいこと考えろよ。
元ネタのタイ映画「心霊写真」は未見なので、どの程度踏襲しているのかは分かりませんが、ジャパニーズ・ホラーはもうお開きです。