『直感を信じないなら他に何があるんだ?』
仕事の成功譚を自慢タラタラに綴ったビジネス本読む暇があったらこの本100回読みましょう。
(ジル・ブーランジェ著)
カーペンターの映画には所謂「ディレクターズカット版」なるものが存在しません。
「ハロウィン」のみ3つの異なるバージョンがありますが、これはテレビ放送用編集版という亜種が生んだ特殊例。劇場公開版のみが真のオリジナルです。
カーペンター自身(本書の中で)「あんなもの(TV用編集版)観ても仕方ないよ」と言ってますし。
冒頭の直感云々は、ヒッチコック的計算づく演出は自分にはできない、という文脈で語られたもの。
「ヒッチコックは冷たい監督だ。彼の映画には驚きがない」
ヒッチコックの映画技法は誰でも真似ができる(遠まわしなデ・パルマ批判か?)が、直感を信じている限り俺は俺以外の何者でもない、と。
やはり「反骨」の二文字を胸に刻んだ監督は魅力的です。
好きな監督はこちゃーんとおりますが、語るべき監督は突き詰めれば、ロメロとペキンパーとカーペンターの三人だけのような気がします(リンチやホドロフスキーはスノッブが好みそうで嫌だ)。
ペキンパーが「トラックで船団を組んで権力に立ち向かうアウトロー」の映画を撮った頃、「一台のトラックに追われて恐怖におののく小市民」の映画を撮った男がいました。
カーペンターが「人間に憑依して肉体を乗っ取るグログロ宇宙生命体の前に人間が疑心暗鬼に駆られる」映画を撮った頃に、「宇宙からやってきて子供と仲良くなる善意の宇宙生命体」の映画を撮った男がいました。
どうもこの人の“時流を読んだ”眼の付け所が性に合わないですね。