『ここで生まれようと、他所から流れて来ようと、この土地にいっぺんでも小便撒いた奴はここにおる資格がある。…さ、メシ喰おう』
これが「座頭市 THE LAST」と同じ監督の作品か。
滅茶苦茶活劇しとるやないか。
「王手」(1991年/阪本順治監督)
プロ-アマ戦に挑む通天閣の真剣師・飛田(赤井英和)。順調に勝ち進み、ついには頂点である名人との一騎打ちへ。
そんな飛田の前に師匠でもある伝説の真剣師・三田村(若山富三郎)が。
「あの頃の俺とは違う」・・しかし三田村の壁は高く厚く固かった。
『もういっぺん将棋教えてくれ。昔のように駒の並べ方から教えてくれ』
三田村が用意したのは巨大な将棋盤。駒は全部で354枚。勝負がつくまで7日はかかる大勝負。
富三郎は本作が遺作。最後の台詞が「わしもあっちへ逝くか…」(号泣)。
通天閣(←飛田はここを住所にしている)から見える街並みが日本海へと変わっているギミックに映画を感じます。この頃のセンス、どこに置き忘れて来ちゃったんだ阪本監督?
飛田の舎弟・香山(将棋協会奨励会・三段)にまだうらなりな加藤雅也、日本海のストリッパー・照美(てれび)に広田玲央名、新世界のドン・天王寺に金子信雄、
赤井は素人演技満開ですが、間違いなく主役のオーラがありました。この存在感、どこに置き忘れて来ちゃったんでしょう。