爽やかな朝。新聞を取りに玄関に出た主人公の後方には原子力発電所の排気塔がドーンと2基(写真上)。
おいおい、ここはトロマヴィルか? と思ったら発電所の所長はロイド・カウフマン。
確信犯か! これぞ正統派悪魔の毒々蚊人間。
「モスキートマン」(2012年/マイケル・マナッセリ監督)
原子力発電所の研究所員ジム(マイケル・マナッセリ)は、出世競争に敗れると同時に解雇。社員専用駐車場の車は(社員じゃなくなった瞬間)レッカー移動、さらに妻が自分を追い落とした同僚と浮気…。
ヤケになっている所を蚊ウィルスのワクチン研究所の学者に拉致されて人体実験材料に。
正に泣きっ面に蚊。
一旦は心肺停止(つまり実験失敗)したものの、長年浴び続けた放射能とワクチンと蚊ウィルスが突然変異を引き起こし、醜くも華麗なモスキートマンに!(←ここ多分「バットマン・リターンズ」のキャット・ウーマン・リスペクト)
ジムに唯一優しかった研究所同僚のエヴリンが強盗に襲われているのを見たジムは強盗の血を吸いだして(原題:SUCKER)瞬殺。
己の能力を自覚したジムは、自分をないがしろにした人間に対し復讐を開始。
予告を観た時は完全に馬鹿映画のノリなのかと思っていたのですが、蓋を開けてみれば「ダークマン」「ロボコップ」と同じ箱に入る暗黒ヒーローものでした。
満月と高層ビルを背景に跳躍するモスキートマン(写真2枚目)は実に流麗。
大量の蚊を使い魔として自在に操るのもキモかっちょいい(近くには寄って欲しくない)。
ロイド・カウフマンの情けない死に様が笑えます(本人、ノリノリで出演したんだろうなあ…)。