デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

邂逅…。GUNGRAVE ガングレイヴ/破壊者たちの黄昏

イメージ 1

『守るため?』

『そう、守るためだ。隣人や友人を。ファミリーを。
 そのためには力が必要だった。組織が必要だった。
 裏切らないという鉄の掟が必要だった。
 ブランドンは組織の裏切り者にされ、
 1度死んでも尚蘇ってお嬢さんを守ろうとしている。
 その理由はたったひとつだ』

『裏切らない…』

『そうだ。あいつは、ブランドンはミレニオンなんだよ。死して尚ミレニオンの男であり続けるんだ』

13年の眠りからの覚醒。混濁する意識。錯綜する記憶。

分かっているのは、愛した女の、そして忠誠を誓った男の娘を守ること。

組織から。ミレニオンから。ハリー・マクドウェルから。

GUNGRAVE ガングレイヴ[北米版DB-BOX]/最終回・破壊者たちの黄昏」(2004年3月29日放送/増原光幸演出)

ブランドンはハリーの側近である四天王を次々と撃破(ゲーム原作らしい展開)。

いずれも見応えがありますが、個人的ベストバウトは舎弟・九頭文治戦。

組織のためでもハリーのためでも復讐のためでもなく、一種のけじめとしてブランドンに対峙する文治はなかなかに男前です。

『それじゃあ兄貴、行きますよ…』

一方、ハリーは組織弱体の虚を突かれてトップの座から転落。ミレニオンからも狙われることに。

ハリーとブランドンが邂逅したのは、チンピラ時代の溜まり場だったスラムのダイナー。勿論、今は廃墟。

しかし、そこにはかつての仲間が、死んでいった者たちが。

『戻りたいなあ。何もかもが自由だった、あの頃に』

『帰ろう、ハリー』

『そうだな、ブランドン』

いつしか在りし日の姿で対峙する二人。その周りを取り囲む襲撃部隊。

常套ではありますが、様々な名画が脳裏をよぎる設定です。

「1900年」「狼は天使の匂い」「明日に向かって撃て」ついでに「デッド・オア・アライブ2/逃亡者」と「龍虎兄弟」。

ちょっと、RAINBOWの「SPOTLIGHT KID」という曲も思い出してしまいました。

“Your audience died, faded away, leaving you on a stage
 It's been so many years since that first matinee
 It seems like an age
 Encore one more time
 For the ghosts of the past in your mind
 They love you but you're in love with the spotlight”

泣ける歌詞だと思いませんか?

静かに幕を閉じる破壊者たちの物語。全26話。ちょっとした大河ドラマでした。