俺様は…店員だから! 勇しぶ♯3
「俺様、今、ありがとうって言われた! お客さんが俺様にありがとうって言ってた。ありがとうって言われた…どうしよう? 何か胸がすっごいドキドキしている」
フィノ、お前は本当にええ娘や…。
「勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました/第3話・本社から送られてくる怪しい商品に気をつけましょう。」(2013年10月20日放送/鈴木薫演出)
顧客満足度はダントツなのに売り上げはぶっちぎりで最下位なレオン王都店。
営業強化のため本部が仕入れに介入することに…。
販売店が発注していないのに、本部が強制的に商品を納品してくることを業界用語で“送り込み”と言います。
レオンの場合、直営チェーンっぽいのでまだいいですが、これがフランチャイズビジネスや書店などの取次ぎビジネスだとなかなかに根の深い問題だったりします。
で、送られてきた“聞いた事のないメーカーの仕入れ値激安な”空気清浄機。
家電に目が無いローソン店員エルザも来てスイッチ・オン!
同時に湧き出る黒煙、溢れ出る手のようなもの。それは“魔女の腕”。
魔法構文が破損し、魔力が外にあふれ出すマジックアイテムの典型的暴走パターン。魔法飽和による力学的分離が手のように見えるのが特徴(初登場ロア先輩の冷静な解説)。
返品レベルの欠陥品なので修理は不可能。停止手段はスイッチを切る事ですが…。
次々に魔女の腕に絡めとられる店員たち。偶然立ち寄っていたラウルの勇者予備校時代のライバル、アイリ(オールA)も犠牲に。
まあ、要するに“触手プレイ”です(笑)。ここで「うろつき童子」をオリジンとする伝統芸能が見られるとは…。
触手に弄ばれるアイリを必死に助けようとするフィノ。
「絶対、助ける!」
「どうしてそこまで?」
「俺様は…店員だから!」
実に感動的、と言えなくもない台詞ですが、相手は触手プレイだぞ、フィノ。
ラウルは忘れかけていた魔法剣(就活の時、「それが何の役に立つの?」と面接官に言われた必殺技ですね)を発動。
スイッチ切られた後も、触手がゼリー状に弾け飛んで“顔射プレイ”のおまけつき。やる事が徹底しているのは清々しい事です。
締めは銭湯という自然かつ必然な流れ。最後にフィノが「人間と魔人が一緒にいちゃ駄目なのか?」というシリアスな問いを発して幕。
日常とエロとシリアスが破綻無くまとまった“いい話”だったと思います。