デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

シャーマン相手に。ガールズ&パンツァー♯4-6/遠すぎた橋

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『このタフなシャーマンがやられる訳ないわ! 何せ5万輌も作られた大ベストセラーよ! 丈夫で壊れにくいし、おまけに居住性も高い。馬鹿でも乗れるくらい操縦が簡単で、馬鹿でも扱えるマニュアル付きよ!』

戦車道全国高校生大会。大洗女子学園の第1回戦対戦相手は戦車の保有台数全国1位を誇るサンダース大付属高校でした。

シャーマン軍団(10台)vs廃車寄せ集め(5台)。試合経験含め彼我兵力差計測不能の闘いの結末は。

ガールズ&パンツァー/第4-6話」水島努監督)

 

試合はサンダース通信手アリサが大洗の通信内容を独断傍受。常に先を読まれる形で窮地に。

しかし、傍受に気づいたみほはこれを逆手にとって情報かく乱。1車両撃破に成功。

傍受という不正ではないが正々堂々とは言いがたい身内の行動を恥じたサンダース代表ケイは大洗と同数の車両で最終決戦の場へ。

自らの姿を敵に晒す捨て身の稜線射撃でフラッグ車を制したのは、大洗。

『シャーマン相手に勝てるなんて…』

『あの…4両しか(援軍が)来なかったのは…』と問うみほにケイは、

『That’s 戦車道! これは戦争じゃない。道を外れたら戦車が泣くでしょ』

男気あります。逆に戦争でシャーマンが大活躍する映画で思い出すのが、

遠すぎた橋
(1977年/リチャード・アッテンボロー監督)

 

ノルマンディー上陸作戦から3ヶ月後の1944年9月、オランダからドイツにかけての5つの橋を占拠するために連合軍が繰り出した地獄の片道切符“マーケット・ガーデン作戦”の全貌を馬鹿みたいな制作費と笑っちゃうくらいのオールスターキャストで描いた超大作。

作戦も興行も大失敗でしたが、動くシャーマンが嫌って程拝めます(それらしく擬態したものも多数ありますが、間違いなく本物も交じっています)。

駄目なリーダーが一人いるだけで国民がどれだけの悲劇に見舞われるかが良く分かる教訓映画でもあります。

『上が勝手な号令をかけると皆死ぬのさ』

『部下を8千人失ったばかりです。とても眠れません』

ただパットンを出し抜きたかっただけのモントゴメリー。クリスマス前に戦争を終わらせたかっただけの上層部。自軍に不利な敵情報を握りつぶした現場指揮官。

結果は累々たる屍の山。

ガルパン」を観ると「遠すぎた橋」が観たくなり、「遠すぎた橋」を観ると「パットン大戦車軍団」が観たくなり、「パットン~」を観ると「バルジ大作戦」が観たくなります。