2期切望。 ウィッチクラフトワークス/最終回
「多華宮君は死なないわ。私が死なせない」
激しくデジャヴな台詞ですが、最終回は“観たいものを魅せる”という作り手の心意気が百花繚乱した素晴らしいエピとなりました。
「ウィッチクラフトワークス/最終回・多華宮君とウィークエンド(後編)」(2014年3月28日放送/水島努脚本コンテ演出)
まずは瓦礫の山と化した冬月市。メデューサ様とはぐれて独り彷徨うたんぽぽちゃん。
そこに霞ちゃんの眷属・マカロン(熊の縫いぐるみ)が涙目で登場。
「クマクマクマ!」と必死に何かを訴えるマカロン。しかし、たんぽぽにクマ語は通じない。仕方がないのでたんぽぽも自分の眷属・ウサギ兵士を出したら言葉が通じるどころか意気投合。
「クマクマクマ」「ウサウサウサ」
もともと敵味方の間柄ですが「宮仕えは辛いよね」的観点で円滑なコミュニケーションが図られた模様。
マカロンは前回の戦いで気絶している霞ちゃんを助けてほしかったようです。仕方なく霞を背負って歩くたんぽぽ。「何でワタシがこいつを助けねばならんのだ…」
しかし、目覚めた霞は「あたしを誘拐するつもりだったな!?」と恩を仇で返す逆切れ1番。さらにマカロンに「やれ!」
必死に事情を説明するマカロンですが全く通じず。「はあ? 恩人? 何言ってんのよ!」
ここでウサ兵士が「思いっきりやんな。ちょっとの間だが、あんたと話せて楽しかったぜ。ほらご主人様を待たせちゃいけねえ」。大人です。男です。マカロン泣きながらウサ兵士に鉄拳制裁。とばっちりで一緒にお星様になるたんぽぽちゃん(可哀想過ぎます)。
一方、教会で対峙しているウィークエンドと綾火、そして仄。ウィークエンドは街の人の命の保管場所に仕掛けた爆弾のスイッチを「いいや、限界だ。押すね」とばかりに起爆。
万単位で消えていく命の光。その瞬きを感じ取る(霊視する)仄。その中には仄の母も。
「見えたのか?! 大勢の命が消えていくのを感じたろう? お前のせいだ! 準備は整ったぞ、さあ、封印を解け!」
このままでは街の人が皆死んでしまう。力を、白姫エヴァーミリオンの力を使って…。
「多華宮君駄目! これは罠よ!」
自らの精神世界(可愛いペンギンたちが闊歩するお花畑)にダイヴした仄はエヴァーミリオンと再会。街の人を助ける見返りは仄の命。それは仄と繋がっている綾火を道連れにすることでもありました。
「ごめん。でもやらなくては…。僕に力をくれえぇぇえぇぇえ!」
エヴァーミリオンの覚醒と開放。リバース・サード・インパクトのように再生していく街と命。
「僕、皆を助けるかわりに命の取引を…。火々里さんを道連れにしたんだ。ごめん」
「いいのよ。私は多華宮君がいなければ生きていけない体なんだし。自分の信じたことをして。それに多華宮君は死なないわ。私が死なせない! エヴァーミリオン! 聞いてるんでしょ? 私の命を使いなさい。今、あの時の約束を果たすわ!」
自らの命をエヴァーミリオンに。魔力の全てを仄に。力尽き崩れ落ちる綾火。
第2ラウンドを匂わせて戦略的一次撤退って事で教会を後にしたウィークエンドでしたが、外ではクロノワールシュヴァルツ・シックスが。
「死に場所ぐらいは選ばせてやろうと思ったんじゃがな」
「結構だ。私はこの街のあらゆる場所に魔法を仕込んでいるからな。ここで始めてもいいぞ」
「そうか。では遠慮せんぞ!」
ウィークエンドvsクロノワール。塔の魔女同士の戦いの結末は…何と戦闘シーン1コマも描く事無くクロノワールが圧勝。瞬殺です。強い、強すぎる。
「やれやれ。つまらん勝負だったのう…」
お話戻って教会。深影先生曰く、綾火が死んだのは一旦、仄との契約を打ち切ったためだ。ならば再契約の儀式をすればいい。そのために必要なのは魔方陣、詠唱、そして、
「え? く、口づけ?」
分かりやすいですねえ。もう綾火の唇はキス待ち準備万端カモンベイべー!な形状なのに、純情仄は口を避けておでこにKISS。
こ、このヘタレがあぁああぁぁぁぁ!
「ちゃんとやれよ腰抜け! こんな腑抜け初めて見たわ。とっととやらんかぶっちゅうべろべろって!」
ウィークエンドを“夕飯”として喰らおうとしたクロノワールを制止したのは、復活まで1週間かかるはずだった火々里かざり(実は僅か20時間で完全回復していた)。
確保か捕食か。ウィークエンドの処置を巡って今度はかざりvsクロノワールが頂上対決。ほとんどゴジラ対ガメラ、いや、不動明対飛鳥了のアルマゲドン(魔法って何?な肉弾戦)です。
勝負を制したのは…かざり。クロノワールがダブルヘッダーだったとは言え強すぎです。
大団円の後に待っていたのは非日常的な日常。一応の決着は見ましたが、謎のまま放置されている部分がたくさんあるので、(原作ストックがどれくらいで貯まるのか分かりませんが)是非、2期に繋げて欲しいと思います。