『革命には1種類しかない。善と悪との戦いだ。問題はどっちが善か…だがね』
アクション映画の体を取りながら、革命に焦がれ、挫折し、屈折した男の邂逅で〆る男の映画。
「プロフェッショナル」
(1966年/リチャード・ブルックス監督)
テキサスの石油王グラントの妻マリアがメキシコ革命軍リーダー、ラザに誘拐された。
マリア奪還のために集められた4人のプロフェッショナル。
指揮官は銃の名手リコ(リー・マーヴィン)、追跡役は弓の使い手でもあるジェイク(ウディ・ストロード)、馬の扱いに長けたハンス(ロバート・ライアン)、そして、爆薬の専門家ビル(バート・ランカスター)。
前半はマリア奪還作戦、後半は逃走と追撃。丁度半々の配分です。
妻マリア役がクラウディア・カルディナーレという時点で、ただの誘拐事件ではない事は分かります(笑)。
革命軍リーダー、ラザ役はジャック・パランス。もう役者の顔だけでお腹一杯。
リコとビルもかつてはメキシコ独立のため、革命に身を投じた過去があり、ラザとは旧知。
ド派手な見せ場を繋いで最後は革命への“想い”の吐露。
「革命か? 戦火が止んだ後には政治家たちが登場する。残るのは“失われた大義”だけだ」
「ロマンチック過ぎるな。革命は恋愛のようなものだ。最初は彼女を神だと思う。聖なる大義だ。だが恋愛には敵がつきものだ」
互いに銃弾を喰らって岩陰に身を隠しながら、革命について語るビルとラザ。
実質、主役はこの二人で、他のメンバーはかぁなり割り喰ってます(美味しい所は全部バート・ランカスターが持ってっちゃいます)。
全体的に冗長。大味でキレの無い演出が残念ではありますが、この二人のおかげで印象深い仕上がりにはなっています。