竜巻を追い求める人たち、というと直球で「ツイスター」を思い浮かべますが、好き嫌いだけで言えば、こっちの方が100倍好き。
「イントゥ・ザ・ストーム」
(2014年/スティーヴン・クエイル監督)
『ツイスター』で竜巻を追っていたのは、データ収集が目的の研究者集団でしたが、こちらは竜巻の目の中の撮影に執念を燃やす竜巻マニア、ピート。竜巻バカです。
バカですから、恋愛とか手柄とかの邪念が入り込む余地がありません。
別れた夫婦がヨリを戻すの戻さないの、とか、データ収集の手柄を横取りするのしないのといった余計なドラマがないのです。
(『ツイスター』見ながら何回「どーでもいいよ!」と叫んだか…)
見どころは大きく3つ。
まずは竜巻の映像そのもの。技術的進歩を考えると“後出しジャンケン”の感は否めませんが、それでもドギモを抜く映像多数。
中でも進路上の火災を巻き込んで炎の渦を造るシーンと、飛行場の飛行機を次々“飛ばせて”しまうシーン(ヘッダー写真右)は絶品。
そして、この竜巻を撮影するために作られた特殊装甲車タイタス。
24台のカメラを内蔵。車体を地面に固定し、あらゆる角度から竜巻を撮りまくる! 「マッドマックス2」や「エイリアン2」に出てきてもおかしくない硬派なデザイン。装甲車マニア悶絶の一台です。
最後に、もう一人(正確には二人)の主人公、ドンク&リービスの冒険バカコンビ。
危険な映像を撮ってNETに投稿し、100万回再生を目指す…ノリだけで史上最大級の竜巻に挑む「ジャッカス」な野郎ども(「ショーン・オブ・ザ・デッド」「タッカーとデイル/史上最悪にツイてないヤツら」の二人組に近い匂い)。
ピートが大金掛けたハイテク武装なのに対し、こいつらはスマホ片手に徒手空拳。しかし、その本質はどちらも同じ。バカです。
彼らの存在がいい感じにスパイス&アクセント。
一応、竜巻に巻き込まれる高校を舞台にしたメインストーリーもあるのですが、ぶっちゃけどーでもいいです。特に腹の立つような話でもないので、おまけと割り切ってください。
史上最大の竜巻vsハイテクバカ&肉体派バカ。
勝のは(生き残るのは)誰だ!?
★竜巻と言えば…