It's beautiful...
今から10分前、巨大な隕石が北大西洋を直撃。
衝撃が北米大陸の東海岸と西アフリカに到達し、既に西ヨーロッパは消滅。
カナダ、メキシコ、中央アメリカも。
熱波は一路オーストラリアへ。
人類に残された時間はあと12時間。
「ファイナル・アワーズ」
(2013年/ザック・ヒルディッチ監督)
古くは「渚にて」、最近だと「メランコリア」と同じ箱に入る終末もの。
回避不能の災厄に見舞われて残り時間12時間を切った所からスタート。
文字通り全滅エンドが約束された無理ゲーはパニックでもディザスターでもありません。
どう生きる? どう過ごす? そして、どう死ぬ?
ジェームズはヒーローとは無縁のヘタレ男。あと12時間で死ぬとかとても正気じゃ迎えられない。飲んでキメてヤリまくって全力で現実逃避したい。
ここで一緒に死にたいとすがる恋人にその場凌ぎの慰め言ってカプリコーンひとり旅。
目指すは友人主催のパーティ会場。
こういう景色大好きです。
“くっそー、どうせ死ぬんなら殺って姦ッて…”というシチュエーションは西村寿行先生の得意とするところですが、開き直った人間の行動は日本もオーストラリアも一緒です。
衝動に任せた景観がそこかしこに。
途中変態ロリコン野郎に拉致られていた幼女ローズを(渋々)助けて子連れ旅。
着いたパーティ会場はまるでサバト。そこには癒しも救いも…。
ローズを生き別れた父の元に届けるため、そして再び恋人の元に帰るため、ハンドルを握るジェームズ(こんな状況なので車は現地調達)。
実に低予算。「言い張れば終末」ななんちゃってSFですが、最期の瞬間をきっちり絵にしているのは好感が持てます。
地殻津波って奴なんでしょうか。『It's beautiful...』
パーティ会場にはローズを自分の娘と言い張る脳煩いの女役で、この翌年「ジェサベル」「プリデスティネーション」の連打を放つセーラ・スヌークが。
オーラあります…ってかマジ怖いっす。
★ご参考
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★本日のTV放送【13:35~テレビ東京/午後のロードショー】